森下が明大対決制しカープ今季初4連勝 球宴も五輪も後半戦も頼んだゾ

 「広島2-0中日」(14日、マツダスタジアム)

 広島の森下暢仁投手(23)が8回5安打無失点の好投で6勝目を飾り、チームを今季初の4連勝へ導いた。明大の3学年先輩である中日・柳との投げ合いを制し、前半戦最終戦を華麗に締めた。ファン投票で選出された球宴、そして東京五輪へ弾みをつける熱い108球だった。

 さすがは日の丸を背負う男だ。八回2死一塁で堂上を遊ゴロに抑えると、グラブをパンとたたいた。ベンチで佐々岡監督からねぎらいの言葉を掛けられると、はにかんだ表情で汗を拭った。108球の熱投。8回5安打無失点で6勝目を挙げた森下はお立ち台で「とにかく勝ちたいという思いでマウンドに上がりました」と言葉を紡いだ。

 3試合連続で失点していた初回を三者凡退。二回は1死二、三塁のピンチで阿部を空振り三振、木下拓を中飛に抑え、一気にリズムに乗った。三回1死一塁では京田をけん制で刺す見事なマウンドさばきも披露。150キロ超の直球を軸にカットボールやチェンジアップをうまく織り交ぜ、凡打の山を築いた。

 「この1点を何としても守ろうと思った」と四回の小園の先制弾を力に変え、最後まで力強く腕を振った右腕。これで10試合連続のクオリティースタート(6回以上自責点3以内)を達成し、自身3連勝。防御率2・29でリーグ2位に浮上した。

 「いい投手なので。先輩ですし、意識もします」という明大時代の3学年先輩の柳との投げ合いを制した。昨季は2試合の対戦で互いに1勝を挙げたが、3度目の対決は森下に軍配が上がった。

 佐々岡監督は「ナイスピッチング。初回をしっかり抑えられた。そこが波に乗っていけたところだと思う。こういう試合展開で粘り強い森下らしい投球だった」と称えた。

 また、右腕を含めた鈴木誠、菊池涼、栗林の侍メンバーには「日本代表でもあり、カープの代表でもある。厳しい戦いになると思うけど、金メダルを取って帰ってきてほしい」とエールを送った。

 チームは5位で前半戦を終えたが、今季初となる同一カード3連勝で初の4連勝。後半戦の逆襲に向けて勢いがつく7月となった。「日本代表として、チームの一員となって、金メダルを取れるように頑張っていきたい」と五輪での活躍を誓った昨季の新人王。コロナ禍の日本に夢と希望を与える。

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