カープ田中広輔 遊撃奪還へ存在感 紅白戦で2安打「アピールしていかないと」
「広島紅白戦、長野組4-2松山組」(24日、マツダスタジアム)
広島は24日、松山組と長野組に分かれて紅白戦を実施した。松山組の「2番・遊撃」でスタメン出場した田中広輔内野手(32)が2安打1打点と存在感を示した。復調が待ち望まれる背番号2。一打席、一打席を大事にして本来の打撃を取り戻す。
一塁塁上で田中広の笑顔がはじけた。強く握った拳も青空へ突き上げた。「若い選手が多いのでね」。ベンチのムードを盛り上げる一打は0-0の初回、いきなり訪れた無死二塁で飛び出した。選手会長が、鮮やかに一、二塁間を破る先制の右前適時打を放った。
「しっかりとしたタイミングで打つことができた」
五回1死でも中堅・大盛の頭上を越す二塁打を放つなど、2安打1打点と気を吐いた田中広。開幕戦を「1番・遊撃」で迎えながら、6月上旬には小園に定位置を奪われた。前半戦は打率・193、1本塁打、6打点。悔しさが胸にあった。
五輪ブレーク中に打撃の状態を上げることがテーマになる。「奪い返すという気持ちでやっていると思う。若い子に負けないという気持ちが、チームをレベルアップさせる」と佐々岡監督。背番号2の復調が戦力に厚みを持たせるだけに、首脳陣の期待は大きい。
「アピールをしていかないといけない立場。しっかりと課題を一つずつ、つぶしていきたい」。田中広は前を向いて言葉を紡いだ。チームのけん引役を託されて始まったシーズン。自身の巻き返しへ向けて、小さくても確実に一歩ずつ前へ進んでいく。
◆今回の紅白戦は松山と長野が選手をドラフトして実施。そのため長野組、松山組の表記となった。五輪ブレーク中には巨人が同様の方式で元木軍、阿部軍、二岡軍として紅白戦を実施している。