侍・森下 五輪初登板で初勝利! 粘りの投球 5回2失点で1位通過手繰り寄せた
「東京五輪・野球・1次リーグ、日本7-4メキシコ」(31日、横浜スタジアム)
1次リーグが行われ、正式競技としては初の金メダルを狙うA組の日本は、メキシコに7-4で快勝して2連勝で1位通過を決めた。
青空の横浜で、粘り強さが光った。「いつもと違った感覚。変な緊張感はありました」。五輪初登板。それでも尻上がりに調子を上げた。広島・森下が5回5安打2失点で勝ち投手となり、A組1位通過を手繰り寄せた。
横浜スタジアムではプロ2年間で通算2試合で16回を投げて防御率0・00。相性抜群の球場で初回に1点を先制された。それでも動揺はない。続く1死一塁はメジャー通算2050安打のA・ゴンザレスにカーブやチェンジアップを見せ、2-2から内角直球で二ゴロ併殺打。いきなり訪れた試合の分岐点で狙い球を絞らせず、最少失点で切り抜けた。
高校時代はU-18日本代表に選出された。大学時代も5度、国際舞台を経験。そこで感じたのは「落ちる球の有効性」だった。ブレーキが利いて縦に大きく割れるカーブは、海外選手を封じるため、明大の3学年先輩の中日・柳に師事して習得した球種。大舞台でそれが生きた。
投手に専念したのは高校2年秋。そこから瞬く間に成長した。「次の日には全く別人。想像を常に超えていた。伸びしろは計り知れなかった」と大分商の渡辺正雄監督(48)。しなやかな体や、負けず嫌いの性格…。大学、プロでも成長を続けた右腕が、五輪という大舞台でも輝いた。
5回68球で降板。背番号15は「悔しい気持ちはあります」と言葉を紡いだ。金メダル奪取へ向け、次戦も全力で腕を振り抜く。