広島のケビン・クロン内野手（２８）が８日、１軍昇格へ意欲を示した。この日、マツダスタジアムで行われた全体練習に合流。９、１０日のソフトバンクとのエキシビションマッチに出場する予定だ。２軍降格後はスイングを修正し、コンパクトにバットを出せるように試行錯誤してきた。求められている長打力を発揮し、再登録を勝ち取る。

　差し込み始めた光だ。クロンがフリー打撃で迷いなくバットを振り抜き、快音を響かせた。「変えようとトライし、求められているものも分かるようになってきた」。外野へ飛んだ鋭い打球。課題克服が見えてきた。

　打率・２３１、６本塁打、１６打点で６月１４日に出場選手登録を抹消された。開幕から不調だった要因は、アッパー軌道のスイングにあった。

　１軍でも挑戦してきたダウンスイングを２軍で突き詰めた。「（２軍コーチと）話をしながら、コンパクトに（バットを出す）と考え始めたらできるようになってきた」。約２週間前から手応えを感じ始めたという。

　粗削りながら５日のウエスタン・ソフトバンク戦では左越えソロを放つなど２安打１打点。視察に訪れていた佐々岡監督の前で結果を残してみせた。

　「一発のある助っ人の力はやはりほしい」と指揮官。９、１０日のエキシビションマッチ・ソフトバンク戦に出場する予定で、内容や結果次第で１軍再昇格が見えてくる。

　前半戦は長打力不足も重なり、チームは得点数が伸びなかった。上位進出を目指す後半戦。長距離砲には、チームを勢いづかせる爆発力を秘めている。クロンは「期待されていることは分かっている」と前を向いた。