広島 4点差大逆転 六回一挙5点 光った五輪日本代表 菊池涼8号&鈴木誠同点打

 6回、左翼スタンドへソロを放つ菊池涼(撮影・立川洋一郎)
 6回、左前へ適時打を放つ鈴木誠 (撮影・立川洋一郎)
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 「広島5-4ヤクルト」(20日、マツダスタジアム)

 凱旋した侍戦士が本拠地でそろって躍動した。0-4の六回に広島の菊池涼介内野手(31)が左翼席に反撃の口火を切る8号ソロを放つと鈴木誠也外野手(27)が同点の左前適時打。打者9人の猛攻で一挙5点を奪い、試合をひっくり返した。五輪日本代表がチームの勝利に貢献し、これでマツダスタジアムは5連勝となった。

 金メダリストらが五輪後初の本拠地でまばゆい輝きを放った。後半戦初の地元で勝利を収め、試合後にファンに向けて一礼した。

 侍戦士が敗戦ムードを一変させた。先発の九里が序盤から崩れ、4点を追う苦しい展開となり、球場は重苦しい雰囲気に包まれた。それでも、日の丸を背負い、さらなる自信を深めた男らの絶対に諦めない姿勢が逆転への扉をこじ開けた。

 まずは菊池涼だ。先頭で迎えた六回。2球で追い込まれながらも田口の甘く入ったスライダーを完璧に捉え、左翼席に運んだ。凱旋アーチとなる8号ソロに「まずは1点を返すことができて良かった」と表情を緩めた。

 豪快な一発で反撃ののろしを上げるとそれに感化されるように五回までわずか2安打だった広島打線が勢いに乗った。連続安打でチャンスを広げ、相手のエラーで1点を追加。小園の適時打で1点差にすると侍ジャパンでも4番に座った主砲に打席が回ってきた。

 無死一、二塁、フルカウント。鈴木誠が代わった大下のスライダーを強振した。「みんながいい流れでつないでくれたので、ランナーをかえすことができて良かったです」。強烈な打球は三塁・村上を強襲。はじいた球が左前へ転がり、同点のタイムリーとなった。

 佐々岡監督は試合をひっくり返した六回の攻撃に「つないでつないでビッグイニングになった。いい点の取り方だった。エラー絡みもありましたし、相手のミスにつけ込んでいけた」とたたえた。

 負ければ、最下位転落の危機だったが、カープが誇る侍の活躍でカード初戦をもぎ取り、連勝を飾った。マツダでは前半戦から続いて5連勝となった。

 20日は7年前に77人が犠牲となった広島市の土砂災害の日だった。「今年も雨が多くて災害も多い。コロナで球場に来られない人も多い中で、そういう人たちのために元気、勇気を与えられるようにあす以降の戦いも続けていきたい」と言葉を紡いだ指揮官。さまざまな苦難に立ち向かう県民のためにもここから勝ち星を積み重ね、上位進出を目指していく。

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