ロッテが元広島・小窪を獲得へ カープ退団後は独立リーグでプレー NPB復帰へ強い意欲
ロッテが昨季限りで広島を退団し、6月から独立リーグ・九州アジアリーグ加盟の「火の国サラマンダーズ」でプレーする小窪哲也内野手(36)を獲得することが30日、分かった。近日中にも発表される見通し。小窪は現役続行を熱望し、NPB復帰へ強い意欲を示してきた。ロッテの一員となり、リーグ制覇へ全身全霊を尽くす。
ロッテがリーグVへ、飽くなき補強へ動いた。内野は遊撃に藤岡、エチェバリア、二塁には中村奨がそろうが、それでもさらなる盤石な態勢を敷く。内野なら全てをこなせる小窪を加えることで、選手層に厚みを持たせ、守備力の強化を狙った。
PL学園、青学大、広島で主将を務めてきた。16年には選手会長としてチームをまとめ、25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。人間力にも優れ、誰からも慕われる存在で、球団はキャプテンシーも評価した。
また練習、試合に真摯(しんし)に取り組む姿勢や考え方。広島で13年間を過ごして培ってきた豊富な経験などが、若手の手本になると期待している。
小窪は昨年11月に広島からの指導者打診を受けたが、現役続行への意欲が衰えることはなく、自由契約の道を選択した。広島退団が決まった際には「まだやりたい気持ちが強かった。可能性が1%でもあるならば、挑戦してみたい」と決意表明していた。
オフは広島市内のジムでのトレーニングと並行し、元広島コーチの永田利則氏が監督を務めるMSH医療専門学校野球部の練習に参加し、獲得オファーを待っていた。
NPB復帰を目指していたところ、5月下旬に「火の国」から獲得の打診を受けた。試合勘などを維持するためにすぐさま入団を決意。6月上旬にチームに合流すると、6日の大分戦で代打として初出場。「球の見え方とか違和感はなかった」と一塁への適時内野安打。実戦は広島時代の昨年11月11日・中日戦以来だったが、約7カ月ぶりの生きた球にも対応し、新たな一歩を踏み出した。
孤独な練習には「心が折れそうになることはあった」と言ったことがあった。それでも自分をふるい立たせ、イバラの道を歩いてきた。ロッテは現在2位。ゲーム差2・5で首位・オリックスの背中を追う。チームのためにグラウンドに立ち、勝利の一翼を担う。