鮮やか3発でカープ強力打線復活兆し 主砲・誠也は今季5度目の2戦連発
「ヤクルト2-4広島」(4日、東京ドーム)
鮮やかな攻勢だった。先制、中押しと長打力をみせつけて計4点を奪った。1試合3本塁打は今季6度目。広島・佐々岡真司監督(54)は「つながってのタイムリーではなくて一発で、というところでね」と表情を崩しながら言葉を紡いだ。
導火線に火を付けたのは鈴木誠だ。0-0の二回。先頭で打席に立ち、中堅へ突き刺した。「先制することができてよかった」と主砲。今季5度目となる2試合連発の21号ソロだった。
五回に菊池涼の12号ソロで加点し、六回には坂倉がリードを広げた。2死二塁で右翼席への9号2ランに「本当に大きかった」と指揮官。4点差とした一打は、救援陣を勇気づけるものだった。
今季のチーム本塁打は決して多くない。81本はリーグ5番目の数字だ。打順が固まらなかったり、長打がでなかったりした前半戦は犠打を多用した作戦を取った。堅実な攻撃ではあったが、勝負どころでたたみ掛けられず、相手へのダメージも決して大きなものではなかった。
鈴木誠は直近9試合で6本とアーチを量産。5番に定着した坂倉は勝負強さに加えてパンチ力がある。下位打線の菊池涼に一発があるのも相手にとって脅威なはずだ。一振りで効果的に得点を奪い、勝利をつかんだ鯉打線。下位に低迷中だが、力強さが出てきたのは今後の戦いに光をともす。