巨人が広島の拙攻に救われて?連敗脱出 「小園へのピンチバンターに疑問」
「広島1-2巨人」(12日、マツダスタジアム)
巨人が菅野の力投と小林のソロアーチで広島に競り勝ち、連敗を6で止めた。だが、デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は勝敗を分けたのは「広島の拙攻」と語り、特に小園への“ピンチバンター”に首をかしげた。
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最後まで分からないハラハラする試合展開だったが、巨人としては何とか連敗を止めることができたし、ひと安心かな。
菅野は序盤、自分の投球に納得していない様子を見せていたが、徐々に安定感を取り戻し、中盤以降はいい時のボールが増えてきていた。
鈴木誠也を空振り三振に仕留めた外角低めへのスラーダーは、まさにそれ。
結果、7回を5安打1失点。前回の登板で108球を投げ、中4日で先発してこの内容なら十分だろう。
床田から決勝ホームランを放った小林は、バードに対しても粘りの打撃を見せていたように元来、左投手に強い打者。その特長が出たように思う。
ただ、この1点差の勝利も裏返せば、広島の拙攻に助けられたと言えなくもない。
疑問に感じたのは1点を追う八回裏の攻撃だ。
先頭の野間が安打で出塁した無死一塁で、広島ベンチは小園に代えて上本を打席に送った。
この条件でヒット・エンド・ランのサインが出るとは考えられない。つまり100パーセント、バント。そうなると守る側は楽だ。
逆に上本には相当なプレッシャーがかかる。結局、走者を送ることができず、右飛に倒れた。
しかし、バントさせるなら小園でよかったのではないか。実際、三回無死一塁の状況では、三塁側へセーフティー気味に転がし走者を送っている。
さらに言うと、守備側には「強攻策」もチラつき、バントと決めつけられなくなる。
もうひとつ。左投手に対して右打者がバントする場合、意外に難しいんですよ。
三塁側へ転がそうとするとファウルになりやすく、一塁側へ転がそうとすると、ポンと打球が上がりやすい。
これは投手出身の人には分からないかもしれないが、そういう傾向も理解して選手起用を行う必要があるのではないか。
もちろんプロである以上、上本は“ピンチバンター”としての責任を果たしてナンボ。ミスはしっかり反省すべきだけどね。
四回には明らかな攻撃ミスがあった。一塁走者の林が会沢の打席で飛び出して憤死。サインが出ていたのかどうか分からないが、その後、会沢が二塁打を放っただけに、もったいなかった。
今は若い選手が増えたし、衣替えの過渡期だと思うが、かつてのカープのような抜け目のない、相手の嫌がる野球をやってほしいね。