広島・栗林 失敗生かして新人記録タイ9戦連続S「『回ってくるぞ』と準備」
「DeNA8-10広島」(26日、横浜スタジアム)
広島の栗林良吏投手(25)が、偉大な記録をダブルで達成だ!2点リードの九回に登板し、無失点で26セーブ目を挙げて2003年の永川(現1軍投手コーチ)がマークした25セーブを更新。球団新人最多記録を達成し、同時に9試合連続セーブで2015年のDeNA・山崎が持つプロ野球新人記録にも並んだ。チームは今季3度目の同一カード3連勝で最下位脱出。横浜スタジアムでの今季最終戦を白星で締めた。
移り気だった勝利の女神を、最後はしっかり振り向かせた。終盤の荒れた流れなど、栗林には関係ない。白球に込めたのは、打線の執念と鯉投の意地。2連投で球団新人最多の26セーブ目。「開幕する時から永川さんのところ(25セーブ)が目標だった。それを超すことができて本当に良かった」と喜んだ。
2点リードの九回に登板。先頭・宮崎、続く牧をいずれも遊ゴロに料理。大和に左前打を許すも、最後は神里をフォークで空振り三振。グラブを叩き、勝利の味をナインとかみ締めた。「こういうゲームで最後、しっかり締められて良かったと思います」
苦みを教訓にした。味方が九回に一挙4点を奪って再逆転に成功した。「前回失敗している部分もあるので。『回ってくるぞ』と思って準備していた」。6月13日・オリックス戦。味方が九回に3点差を追いつき、直後の登板でサヨナラ打を浴びた。デビューからの連続無失点記録が22試合で途切れ、プロ初黒星を喫した。
同じ失敗はしない。目まぐるしく動いた試合展開にも左右されない。終盤の攻防を鎮めるかのように、リードを守り抜いた。その姿に佐々岡監督も「ホント、大したもの」と改めてその存在の大きさに実感を込めた。
15年のDeNA・山崎が持つプロ野球新人記録の9試合連続セーブも達成。くしくも打線がその山崎を打ち崩し、巡ってきた登板で金字塔を打ち立てた。「監督、選手、みんなのおかげ」と感謝した。
同い年へのライバル心も、活躍の原動力。「同世代に負けたくない気持ちがある」。そう語ったのは開幕前。同じ96年生まれの代表格は巨人・岡本和、ソフトバンク・栗原ら。自身の右腕で道を切り開き、少し先にプロ入りして活躍していた同世代に見劣りしない存在にまで上り詰めた。
自身が胴上げ投手となった東京五輪決勝の舞台でもあった、横浜の地でタイ記録と新記録を樹立。お立ち台では「本当に思い出に残る日になりました。残りシーズンもチームの勝利のために頑張っていきたい」と力強く宣言した。誇り高き守護神。前人未到の領域へ、最後の力を振り絞る。