佐々岡カープ、V消滅 また拙攻1得点 マツダで3連敗 強い鯉見せてくれ!
「広島1-4ヤクルト」(3日、マツダスタジアム)
広島はヤクルトに、今季4度目となる同一カード3連戦3連敗を喫し、リーグ優勝の可能性が完全消滅した。打線が森下を援護できず、相手を上回る11安打を放ちながら1得点に終わった。勝負どころでの一打が生まれず、今季を象徴するような展開での3年連続V逸となった。借金は再び「14」となったが、ファンのためにも残り試合を全力で戦う。
広島は、ヤクルトに追い付くことはできても、一歩前に出ることはできなかった。得点機での爆発力を欠き、終盤は島内、森浦、ケムナの救援陣が手痛い失点を重ねた。首位チームとの力の差なのか。本拠地で3連敗。125試合目で、優勝の可能性が消滅した。
「これだけ負ければ、当然と受け止めながら、最後まで…。地元で3連敗はやってはいけないことなので。明日からロードに出ますけど、とにかく最後までやる。もう一度、集中力を持って、やらないといけない」
佐々岡監督は、懸命に前を向き言葉を絞り出した。
鈴木誠が欠場した打線は、相手を上回る11安打を放ちながら1点止まり。四回1死満塁を逃すと、1点を奪い1-1とした六回1死一、二塁での代打策も実らない。松山が遊撃併殺打に倒れ、勝ち越せなかった。勝負どころでの1点が遠い-。今季を象徴する試合展開だった。
得点力不足を解消するためにキャンプから磨いてきたのは、相手のスキを見逃さない緻密な野球。機動力を使いながら相手に重圧をかけ、安打が出なくても1点を奪う攻撃だった。チーム打率・261はリーグトップながら、総得点468は同5位。目指してきたしたたかな野球を、体現できない現状がもどかしい。
強固な投手陣の構築も道半ばだ。救援陣でいえば、守護神・栗林へつなぐメンバーが固定できなかった。長いシーズンだけに好不調の波があるものの、安定して結果を出し続ける難しさに直面した。
3位・巨人とは11ゲーム差と、背中は遠い。それでもシーズンは続く。指揮官は「変わらず若い選手が出る中で、いろんなミスを起こしても、反省しながらも一戦一戦。1つでも上、1つでも借金を減らすということを変わらずやっていきます」と力を込めた。
今季を前に指揮官が信条としたのは「強い」だった。「強い気持ち、強い体など『強い』というのを強調してやっていきたい」。残り18試合。強いカープを取り戻すための戦いにする。