広島・宇草 1軍昇格即1番即マルチ安打!レギュラー獲り猛アピール
「中日4-3広島」(5日、バンテリンドーム)
広島の宇草孔基外野手(24)が3カ月ぶりに1軍昇格し、即1番で起用されてマルチ安打をマークした。2点を追う五回には“投手2冠”の柳から中前適時打を放った。だが、チームはサヨナラ負けで4連敗。3日にリーグ優勝の可能性が消滅し、CS進出も厳しい状況だ。来季へ向けた戦いも始まった中、大卒2年目の好打者がレギュラー獲りに猛アピールした。
力強く振り抜いた打球が中前にポトリと落ちると、宇草は一塁塁上で少し表情を緩めた。1-3の五回1死三塁。柳の137キロカットボールを振り抜いて適時打。ファンとナインからの声援に応え、「何とかチャンスで一本打てて良かったです」と振り返った。
3カ月ぶりの1軍昇格。「1番・右翼」で即スタメンに抜てきされた。「チャンスをいただいたので、結果を残せるようにと思った」。三回2死は変化球にうまくバットを合わせ、6月27日・中日戦以来の安打となる左前打。マルチ安打をマークし、首脳陣の期待に応えた。「いい投手なので。後手に回らないようにと思った」。奪三振と防御率でリーグトップに立つ柳を打ち崩し、大きなアピールを果たした。
2年目の今季は、チームのコロナ禍で5月18日に初めて1軍に昇格した。6月5日・楽天戦では田中将からプロ初本塁打をマーク。しかし、徐々に成績を落とし、打率・254、2本塁打、9打点で7月2日に出場選手登録を抹消された。
「走攻守レベルアップできるように。やることは多かったが、一つ一つ自分の中で目的意識を持ちながら全部レベルアップできるように、と思っていました」。ファームでは課題と真摯(しんし)に向き合い、修正に取り組んだ。
チームはサヨナラ負けで4連敗となった。それでも宇草の躍動は敗戦の中の光明だ。リーグ優勝の可能性は消滅しており、佐々岡監督は「今は若手にチャンス(を与える)ということで。大盛や宇草に(1番打者争いを)やってもらいたいと思っている」とさらなるアピールを願った。
来季へ向けて、若鯉らにとっては一打席一打席が重要になる。宇草は「毎日が勝負なので、自分のできることに集中してやっていきたい。チャンスをもらったところでアピールするだけ」と意気込む。持ち味の俊足巧打で縦横無尽にダイヤモンドを駆け回り、レギュラー争いに加わっていく。