広島・島内の制球力大幅改善 「あとは度胸。怖がらずに勝負じゃ!」と北別府氏
広島・島内颯太郎投手(24)がセットアッパーの地位を確立しつつある。今年は制球力がつき投球が安定。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「四球も減り努力の跡がうかがえる」と評価した。
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入団したころの島内は躍動感があって、怖がらずにストライクで勝負するタイプの投手という印象があった。迷いがないから、恐れることもなく投げていたよね。
ところが、いつしか“ノーコン”のイメージが定着してしまった。それはプロの怖さを知り、考え過ぎてしまったからだと思う。
1球の重みというのかな。怖さが先に立つと、どうしてもボールが先行する。
しかし、最近の島内は攻める投球ができるようになっている。
3日のヤクルト戦はクリーンアップの山田に四球を与え、村上にヒットを打たれて敗戦の原因を作ったけど、5日の中日戦はストライク先行で1回を三者凡退。9月以降は概ね投球が安定しているように感じるね。
(8月31日時点で4・56だった防御率は3・49へ)
当然、打たれることもあるし、点を取られることもあるが、問題は取られ方。逃げた挙げ句に打たれては傷口が広がるだけだからね。ただ島内の場合、そういうシーンは去年に比べて格段に減ってきている。
入団後の3年間を見ていると、リリーフ投手として継続的に起用されているのは彼だけだよね。
しっかり生き残っているわけですよ。進歩しているというのは、その数字にも表れていると思うね。
(島内は開幕直後に2軍落ちし、6月に再昇格。その後は制球が安定し、四球が減少。昨年は37回2/3で28個だった四球が、今年は10月5日現在、38回2/3で12個。与四球率が大幅に改善されている)
プロの怖さを知ったことで、打たれたくないあまりにコースを狙いすぎ、その結果、四球になる。
これは疲労の蓄積も一因として考えられる。疲れが原因で球威が落ち、打ち込まれる。こういうことも自信をなくす理由になるんですよ。
だから“いい時の投球フォーム”を毎日チェックし、無駄な投球を避けることが肝要。
いいフォーム、いいバランスで投げると、必ずボールは打者の膝元へ行くもの。高めに抜ける時は、上を向いて投げていることが多い。
腕が遅れていないか。足の上げ方や位置がおかしくないか。ボールの手離れは?
最近は、自分のフォームを知らない選手が多い。今はスマホでもチェックできる時代だし、今日の自分と昨日の自分を見比べるよう習慣づける。これも勉強だと思うよ。
島内はいいスピードボールを持っているのだから、怖がらずにガンガン勝負しなきゃ。あとは度胸だと思うね。