広島からドラフト４位指名された田村俊介外野手（１８）＝愛工大名電＝が６日、名古屋市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金３５００万円、年俸５００万円で仮契約した（金額は推定）。打撃が魅力の１８歳は同校ＯＢで米大リーグ、マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏（４８）を目標に掲げた。“イチローロード”を歩み、１年目からの活躍を目指す。

　追いかけるべき背中が、田村の目にはっきりと映っていた。高校の大先輩であるイチロー氏。同じ左打者としてそして、ドラフト４位でプロの世界に飛び込む点も同じ。「イチローさんも、ドラフト４位から自分の頑張りで（スター選手に）上がっていかれた。入団してからが勝負だと思うので、負けないように」と力強く誓った。

　日米通算４３６７安打を放ち、日本で７度、米国でも２度の首位打者に輝くなど数々の金字塔を打ち立てたイチロー氏。「ミート力やコースに逆らわない打撃は本当にすごい。率も残しつつ本塁打も打てる、そういう打者になりたい」。大先輩を目標に、打者としての理想像を思い描いた。

　自身も将来的には「メジャーで活躍する選手に」と大きな夢を持つ。５歳から野球を始め、その時からプロ野球選手を目指していた。京都出身ながら中学は県外の高知・明徳義塾、高校は名門・愛工大名電に進み、エース兼主将。攻撃でも中軸を担った。飽くなき挑戦心を抱いて過ごした日々は、未来への礎になる。

　高校通算は３２本塁打で、今夏の甲子園では１回戦・東北学院戦で右中間へ本塁打も放った。卓越したバットコントロールが武器で「本塁打だけでなく、場面に応じた打撃、逆方向にも打てるのは自分の強み」と胸を張る。担当の松本スカウトも「本当に楽しみ。１年目から（１軍の）試合に出るんじゃないか」と高い期待を寄せた。

　１年目の目標は「取れるように」と新人王に意欲。ドラフト４位から突き進む“イチローロード”。非凡な打撃センスで、田村が広島ファンを魅了する。

◆生まれ　２００３年８月２５日生まれ。京都府舞鶴市出身の１８歳。

◆サイズ　１７８センチ、９０キロ。左投げ左打ち。外野手。

◆球歴　舞鶴市立中舞鶴小から明徳義塾中へ進学。愛工大名電では入学直後からベンチ入り。３年夏に甲子園に出場するも１回戦で東北学院に３－５で敗退。

◆５０メートル　６秒２。

◆遠投　１００メートル。

◆好きな食べ物　チキン南蛮

◆趣味　釣り。地元でアジ、タイ、サワラなどを釣る。

◆対戦したい投手　中日・大野雄

◆好きな言葉　「結果が全て」