広島・小窪新コーチ V3イズム注入 2年ぶり古巣復帰で「みんなで常勝軍団に」
広島OBで前ロッテの小窪哲也氏(36)が11日、来季から広島の1軍内野守備走塁コーチに就任することが決まり、マツダスタジアムで会見を行った。リーグ連覇を果たした16、17年に選手会長としてチームを束ねた新コーチ。3連覇の経験を伝えて再び常勝軍団を築き上げ、選手と首脳陣の「橋渡し役」も担う姿勢を示した。
晴れやかな表情で、会見に臨んだ。今年8月31日にロッテに入団し、今季限りでの現役引退を表明。ファンに愛され、ナインに慕われた小窪新コーチが2年ぶりに広島へ復帰する。「これからは、カープのために全力でやりたい」。選手として過ごした14年間に区切りを付け、指導者として新たなステージに挑む。
16、17年には選手会長としてリーグ連覇を支えた。全ポジションをこなせる内野守備と勝負強い打撃で、チームに欠かせぬ存在となった。“勝利の味”を知る男として、3年連続Bクラスに沈むチームに新たな風を吹き込む役割が期待される。「僕もずっと優勝した時が(印象に)残っている。勝つ喜びだったり、みんなで常勝軍団になれるように」
個々が勝つために最善を尽くし、頂点に輝いた時期は指導者としての指針になる。「(優勝を経験していない人に)伝えるのは難しいと思うけど、何とかそういう方向に導けるようにしたい」と“3連覇イズム”を継承し、若手選手にも助言を送る考えだ。
理想のコーチ像には「選手にリスペクトができるようなコーチ。一緒の気持ちで戦えたら」と青写真を描く。36歳とコーチでは年齢も若く、選手と首脳陣とのパイプ役も担う姿勢。「橋渡しになるような存在になりたい。押しつけるのではなく選手からの要望を聞きつつ、そういうモノができれば」と選手目線で寄り添うスタンスを強調した。
会見後は、佐々岡監督ら首脳陣にあいさつ。秋季練習中は指導せず、来春キャンプから本格的にコーチングを行う見込み。指揮官は「選手と年齢が一番近い。関係性も期待するところ」と背中を押した。
昨年11月に球団からコーチ就任を打診されたが、現役続行を希望した。今年6月から独立リーグ・九州アジアリーグの火の国(熊本)、8月31日にはロッテに入団してパ・リーグの野球にも触れた。環境を移して得た経験を持っての古巣復帰。「少しでもカープ、広島が盛り上がるように頑張りたい」。心はもう、赤く燃えている。