広島は１５日、高橋建氏（５２）の１軍投手コーチ就任を発表した。同氏は今季まで阪神で２軍育成コーチを務めていた。カープ復帰は、１０年に現役を引退して以来、１２年ぶりになる。

　高橋氏は、９４年度ドラフト４位で広島に入団。１年目から先発、中継ぎの両方で３９試合に登板した。本格的に先発に転向した０１年は自身初の１０勝。０６年は自己最多の５４試合に登板した。

　海を渡る決意を固めたのは０８年オフ。翌年はメッツで４０歳にしてメジャー登板した。白星こそなかったが、２８試合で防御率２・９６と存在感を示した。

　１０年に広島へ戻り、そのシーズン限りで現役を引退した。日米通算１６年間で４８７試合に登板し通算７０勝を挙げた。引退後は広島で本紙評論家として活動し、温厚な人柄で「建さん」の愛称で親しまれた。

　阪神の２軍投手コーチに就任したのは１６年からだった。育成に定評があり、今季までに高橋や及川らを１軍に送り出した。

　広島には若手左腕が豊富。床田を筆頭に高橋昂、森浦、玉村に加えて、今秋のドラフトで獲得した１位・黒原（関学大）、同２位・森（三菱重工Ｗｅｓｔ）も左投手だ。「建さん」には左腕王国の復活に期待がかかる。