残留の大瀬良 カープ新選手会長としてV奪回へ「いい環境を作っていきたい」
広島の大瀬良大地投手(30)が24日、来季から選手会長に就任することを明かした。近日中に行われる選手会納会で正式に選出される見通し。今季は投手の主将を務めて10勝5敗、防御率3・07の成績を残した。今季取得した国内FA権を行使せず、残留を決断したエースが、4年ぶりのV奪回へチームをまとめる。
チームやファンを思い、大役を引き受けることを決めた。大瀬良は選手会長として3年連続Bクラスに終わったチームの立て直しを図り、4年ぶりのV奪回を目指していく決意を口にした。
「話を頂きました。難しさもあると思いますけど、精いっぱい役割を全うしたい。みんなができるだけいい環境で野球に取り組めるようにすることが大事だと思う。そういう環境を作っていきたい」
5月頃から現選手会長の田中広から打診され、新選手会長就任を受諾した。「アツさん(会沢)や広輔さん(田中)と会話をしているときに、(FA宣言せずに)残るのなら任せたいと言ってもらった。それまでは全く考えていなかったし、難しさもあると思ったが、そう言ってもらえてうれしかった」と経緯を明かした。最初は戸惑ったが、先輩からの厚い信頼の言葉に心を決めた。
プロ8年目の今季、3年連続の開幕投手を務めた。一時は故障による戦線離脱もあったが、自身5度目となる2桁勝利を挙げた。18日には今季取得した国内FA権を行使せず、残留を決めた。「考えれば考えるほど、カープに対する愛着がどんどん強くなった」とカープ愛を明かした右腕。成績だけでなく、実直な人柄は若手の模範となっており、チームへの貢献度は大きい。
投手では過去に北別府や佐々岡が選手会長を務めたが、近年は野手が多かった。投手では05~06年の黒田以来となる。偉大なOBの背中を追ってきた大瀬良がカープの“顔”となり、伝統を引き継ぐ立場となった。
16~18年のリーグ3連覇を知る右腕は、過渡期にあるチームを再建し、自らを中心に新たな時代を作ることが求められる。「重要な役目を任せてもらえてありがたいことだと思います。もっと投手キャプテンとしても、選手会長としても、信頼される選手になりたい」。実績と信頼もあるエースがチームを先導し、常勝軍団を築き上げる。