広島・宇草 3年目ブレークへ 軟体ボディー習得 外野争いに可動域広げて可能性広げる
広島の宇草孔基外野手(24)が12日、3年目のブレークを誓った。11月4日に昨年10月の右腓骨(ひこつ)手術の際に入れたプレート除去手術を受け、約1カ月のリハビリで体の柔軟性を高める必要性を再確認。今オフは継続して土台作りに励んでケガをしない体を作り、来季は同期の森下、石原に負けない活躍を目指す。
長丁場のペナントレースを戦い抜くための下地作りは、オフにしかできない。宇草は「ケガをしないように、体を作っていかないといけない」。タフな肉体を手に入れるための取り組みに着手する。
昨季に死球の影響で右腓骨(ひこつ)を骨折。その際に同箇所を固定するプレートを入れ、今オフはそのプレートを除去する「抜釘(ばってい)術」を受けた。手術の2週間後にはダッシュも再開して、4日にリハビリが完了。自身の体と向き合った結果、各箇所の状態を把握することができたという。
「腰、背中、胸回りがすごく硬かった」と明かし、「そこを自由自在に動かせるように。動かしたいところを動かせるようになりたい」。可動域を広げることができれば、ケガの予防にもなる。「技術も幅広くなると思うし、ケガもしにくくなる。色んな要素につながってくると思う」とメリットを口にした。
中でも背中に硬さがあり、リハビリ中も両膝、両肘を地面につけた回旋運動などで改善に努めた。「地味な作業ですが、結構きつい。回旋しながら深呼吸をしたり」。日を追うごとに軟らかさが増し、効果を実感。「打撃や送球にもつながると感じている」と相乗効果にも期待を寄せた。今後は来季を見据えて、継続して柔軟性の向上に取り組んでいく。
今季は6月5日の楽天戦(マツダ)で田中将からプロ初本塁打。シーズン終盤は1番に定着し、10月16日・巨人戦、同17日・阪神戦で2試合連続本塁打も記録した。43試合に出場して打率・291、4本塁打、14打点と1年目より成績を上げた。それでも満足感はない。「レギュラーを取ってチームの勝ちに貢献できている選手ではない」と自身の立場を冷静に見つめた。
鈴木誠のメジャー移籍が実現すれば、外野のポジションが1つ空くことになる。ただ、新人は3人が外野手で、競争激化は必至だ。
刺激もある。同期入団の森下は先発陣の軸となり、石原は今季60試合に出場して頭角を現した。「負けていられない。頑張らないと」。強固な体を手に入れ、3年目の来季は大きな花を咲かせる。