誠也メジャー挑戦、栗林新人王、九里13勝最多勝 デイリーが選ぶカープ10大ニュース
デイリースポーツが選ぶ広島の10大ニュース。チームは3年連続のBクラスに沈んだが、主砲のメジャー挑戦やルーキーの金字塔など数々の名場面もあった2021年を振り返る。
(1)鈴木誠がポスティングでのメジャー移籍へ。首位打者&最高出塁率の2冠、6試合連続アーチも記録
鈴木誠が今オフ、ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を表明した。今季は2年ぶりに首位打者と最高出塁率の2冠を獲得し、自己最多の38本塁打。9月にはプロ野球記録に王手をかける6試合連続本塁打も達成した。12年に入団してチームの大黒柱に成長した主砲が、新たな舞台に挑戦する。
(2)栗林、新人最多タイの37セーブで新人王獲得
栗林が新人王に輝いた。53試合で新人最多セーブのプロ野球タイ記録となる37セーブに防御率0・86。圧巻の成績を残し、まれに見るハイレベルな争いを制した。デビューから22試合連続無失点で新人による開幕からのプロ野球記録を達成。09年・岩瀬(中日)に並ぶ歴代2位タイの20試合連続セーブも樹立した。広島からは昨年の森下に続き、2年連続11人目の新人王となった。
(3)九里が13勝で初タイトルとなる最多勝を獲得
プロ8年目の九里が初の2桁勝利を達成。新型コロナ感染で一時離脱した時期もあったが、先発陣をけん引して最終的には13勝をマーク。青柳(阪神)と並び初めて最多勝のタイトルをつかんだ。
(4)若鯉が大躍進!坂倉が打率2位、高卒3年目の小園、林もレギュラー取り
若手選手の台頭が、チームに新たな風を吹かせた。5年目の坂倉は中軸を担い、リーグ2位の打率・315。鈴木誠と最終戦まで首位打者争いを演じた。小園はシーズン途中から遊撃のレギュラーに定着して自己最多の113試合に出場。打率・298と奮闘し、林もプロ初を含む10本塁打を放った。チームがBクラスに沈む中、若鯉の活躍がチームに光をともした。
(5)菊池涼、鈴木誠、森下、栗林の侍メンバーが東京五輪で金メダル
鯉戦士が世界の舞台で躍動した。菊池涼、鈴木誠、森下、栗林の4人が野球日本代表、侍ジャパンの一員として東京五輪に出場。4選手とも大会では随所で役割を果たして世界一に貢献した。特に栗林は守護神として全5試合に登板。決勝の米国戦でも無失点に封じ、胴上げ投手となった。
(6)コロナ禍がチーム襲う!クラスター発生で主力が大量離脱、直後の交流戦は大失速
目に見えないウイルスの波が、チーム全体にまで及んだ。5月中陣に選手9人を含む12人が新型コロナウイルスに感染。戦力ダウンを余儀なくされた中で突入した交流戦は3勝12敗3分けと振るわなかった。史上初めて交流戦で先発陣に一度も白星が付かず、苦戦を強いられた。
(7)3連覇の功労者、今村に戦力外通告
長年チームを支えてきた今村が戦力外通告を受け、現役引退を決断した。長崎・清峰で3年春の選抜大会で優勝。09年度のドラフト1位で入団した。16年からのリーグ3連覇時には「勝利の方程式」の一角としてフル回転し、リリーフ陣を支えた。今季は1軍登板なし。通算431試合で21勝30敗36セーブ、防御率3・46だった。
(8)ドラフト1位に関学大・黒原
即戦力としての呼び声高い、黒原の交渉権を獲得。最初の入札で隅田、“外れ1位”はヤクルトとの競合で山下を外したものの“外れ外れ1位”で補強ポイントだった左腕を獲得した。チームは18年から小園、森下、栗林とドラフト1位選手が1軍で躍動を続けており、黒原にも大きな期待がかかる。
(9)3年連続のBクラスに終わる
最大15あった巨人とのゲーム差を一時2・5にまで縮めるなど、逆転CS出場の可能性が見えるほどの猛追を見せたが、終わってみれば、3年連続のBクラスとなる4位。外国人選手が振るわず、5月はチーム内がコロナ禍に見舞われた。来季は、救援陣の“勝ちパターン”の構築と、主砲・鈴木誠の穴を埋める野手の台頭が上位浮上の鍵を握る。
(10)FA有資格の大瀬良、九里、堂林が残留
FA権を持つ大瀬良、九里、堂林の3選手がそろって残留を表明。大瀬良と九里は新たに3年契約を結び、先発陣の柱としてチームを支える。堂林は70試合で打率・190、0本塁打、5打点だった今季の悔しさを来季にぶつける。