広島・佐々岡監督【安仁屋氏激アツエール投手編】先発「最低7回」開幕投手候補3人指名
広島の佐々岡真司監督(54)とカープOBでデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(77)が2年ぶりの新春対談だ。昨季は3年連続Bクラスと悔しい1年に終わった。今季は4年ぶりの優勝を目指すシーズン。昨季からの巻き返しを誓う指揮官に、安仁屋氏も激アツエールを送った。
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安仁屋「投手陣の話をしたい。先発ローテは4人までは決まっているのでは」
佐々岡「4人ですか?」
安仁屋「大瀬良、九里、森下、床田」
佐々岡「床田はわからないですよ。左投手で貴重ですけど、昨季の春も期待をしていたけど(試合の)入り方が悪かった。先発の座を勝ち取らないといけない立場です」
安仁屋「島内を一度、先発させてみたらどうか」
佐々岡「みんなに先発をさせたいと思ってはいますが、適性も見ています。島内は変化球が少ない。ペース配分をしながら投げるというには球種が足りないですね。短い回の方が適性があると思います。将来的には先発というのもあるかもしれませんが」
安仁屋「ケムナもスタミナがありそう。あの腕の振りとか九里に似たところがある。ケムナはどうか」
佐々岡「6人の中にとなると入れるかどうかですね」
安仁屋「今季は延長12回に戻る可能性がある。先発には少しでも長い回を投げてもらわなければ困る」
佐々岡「クオリティースタート(先発が6回以上自責点3以下)というけど6回はクオリティースタートではないという気持ちじゃないと。中6日を空けるんだから、6回じゃなく最低7回は投げてもらいたい」
安仁屋「その準備をキャンプからしないといけない」
佐々岡「僕は中継ぎだろうが先発だろうが、ブルペンで球数を投げるのはフォーム固めのためだと思っています。球数は体全体、特に下半身を使わないと投げられない。それが投げ込み。プラス肩のスタミナとかの強化もできる」
安仁屋「そういうこと。しっかり投げ込んでほしいし、特にリリーフはね。僕は回またぎという言葉が大嫌い。打たれたら回またぎしたことが言い訳になっているから」
佐々岡「故障とかいろんなことを考えて過保護になっているんですかね。しっかりしたフォームで投げれば負担もかからない。キャンプでも今の時代はブルペンがアピールの場所じゃなくて、すぐに始まる(紅白戦などの)実戦でしっかり投げられるかどうかになっている。だから投げ込みができないのは確か。球数もちょっと少ない。それに今の投手はすぐ変化球に走ってしまう。だから外角低めに10球しっかりと投げ切ってから変化球を投げなさいとか、そういうことを選手に伝えてほしいと投手コーチには言ってあります」
安仁屋「変化球は楽よね」
佐々岡「疲れたら変化球に走っている。そうではなくて、苦しいときのフォームで直球をしっかり投げられるかが大事。ただ変化球を投げて球数を増やしてみたりとか。キャンプのブルペンは変化球が多くて、直球がおろそかになっていると思いますよ」
安仁屋「リーグで1番多い429個の四球を減らすことも勝つための課題になる。そのためにはバッテリーが3球勝負をしていいんじゃないかな。2ストライクと追い込んでから次の1球を外す場面もあった。高めのボール球とか」
佐々岡「3球勝負はいいと言っています。3球目がど真ん中ではダメだけど、勝負にいって打たれたなら仕方がない。意味のあるハイボールはいい。3球目を打たれたくないから外すという意味のない球ならもったいないですよ。それからもっと大事にしてほしいのは、登板前5球の投球練習。変化球にしろ、直球にしろ、しっかりストライクゾーンに投げられているか。初球、ボールで入るから四球の確率が上がる。大事にしてほしい」
安仁屋「今季の開幕投手はどう考えているの」
佐々岡「一昨年、去年と大地(大瀬良)と決めていました。今年の場合は決めていません。大地、九里、森下が候補です」
安仁屋「コーチでは東出が野手総合コーチで小窪が内野守備走塁コーチになった。期待をするところは」
佐々岡「東出は野手総合だから守備も攻撃も見られる。攻撃のときは僕と東洋(朝山打撃コーチ)と東出といろいろ話をしながらになると思います。小窪は現役選手に近い年齢。コーチと選手の橋渡し役として頑張ってほしい」
安仁屋「まずはコーチ陣がひとつにならないと」
佐々岡「しっかり話ができる環境を作らないといけない。同じ方向を向くというのはずっと言っている。徹底したい」
安仁屋「そこが一番大事。選手にとっても。常にコミュニケーションを取った方が良いチームになる。スタッフがガタガタなら勝てない。まとめていく監督は大変だけど、それがやりがいでもある。最終的に責任を取るのは監督。嫌われてもいいくらいで、どーんと言う方がいい。言われた方も気持ちがすっきりするんじゃないかな。どんどん言ってほしい。それが僕の願いだね」