広島・ドラ1黒原 「1年間1軍」誓いのネクタイ 出世部屋に“身軽入寮”
広島の新人11選手が7日、廿日市市の大野寮に入寮した。ドラフト1位・黒原拓未投手(22)=関学大=は、かつて前田健太(現ツインズ)、大瀬良、森下、栗林らが過ごした“出世部屋”の104号室に決定。荷物は必要最低限のものだけという“身軽入寮”で、中学時代の恩師から贈られたネクタイを持参した。1年間1軍を目標に、即戦力左腕が出世街道を歩む。
慣れ親しんだ関西の地に別れを告げ、新たな広島生活に胸を高ぶらせた。午前10時前。冷たい風を肌で感じ、スーツ姿の黒原は一番乗りで大野寮の門をくぐった。「ワクワクしている。しっかり気を引き締めて、これから生活していければ」。過度な喜びも不安もなく、1年目の戦いを心待ちにした。
部屋は104号室。過去には前田健太(現ツインズ)、大瀬良、森下、栗林らが過ごした“出世部屋”に「そういう部屋に入らせてもらえることはうれしく思う。とにかく1軍の舞台で活躍できるように、アピールして練習に励んでいきたい」と決意をにじませた。先輩たち同様、ここから中心選手への階段を駆け上がっていく。
持ち物はリュックサックとスーツケース。生活必需品と野球道具など、最低限の荷物でまとめた。その中で持参したのは、一本のネクタイ。海南中時代の恩師で、野球部の監督を務める中岡研二先生から年末にプレゼントされた。
「入団のお祝いとしていただいた。大事な物なので、また着けさせてもらいたい」と黒原。直接は会えなかったため郵送で贈られ、電話でお礼を伝えた。その際に中岡先生から「ケガのないように体に気を付けて、また(姿を)見られる日を楽しみにしている、と言ってもらいました」と激励された。
智弁和歌山に進学する前の3年間、指導を受けて「最初の土台は中学のときにつくっていただいた」と感謝。ネクタイは春季キャンプにも持参し「先生の応援を背中に(感じて)助けてもらって、一緒に頑張りたい」と込められた思いと共に、心の支えにしていく。
年明けは、2日から関学大のグラウンドで始動。初詣は大学近くの門戸厄神を参拝し、今季の活躍を祈念した。8日からは新人合同自主トレがスタート。「開幕を1軍で迎え、1シーズンしっかり戦い抜くのが目標。焦りすぎてケガだけしないように精いっぱいやっていきたい」と誓った。広島の地で、背番号24のサクセスストーリーが幕を開けた。