広島・菊池 誠也の“穴”はプラスに思え! 今季目標のV奪回へ若鯉出てこい!
広島の菊池涼介内野手(31)が12日、静岡市の清水庵原球場で自主トレを公開し、若鯉の台頭に期待を寄せた。鈴木誠のポスティングシステムでのメジャー移籍が実現すれば、右翼と4番争いが始まる。チームとしては選手層にどれだけ厚みを持たせられるかが、今季のテーマ。球界屈指の正二塁手はV奪回を担う選手の台頭を信じ、熱いエールを送った。
青空の下で笑顔がはじけた。「暖かいでしょ」。日差しを浴びて、体が動く。ノックでの動きも軽快だ。菊池涼は毎年恒例の清水庵原球場での自主トレで、充実した時間を過ごしている。
今季の目標を問われると表情を引き締めた。個人的な数字などは「ないです」と即答。4年ぶりのリーグ制覇へ向け、チームへの思いがあふれた。
今季を戦う上での懸案事項は、鈴木誠がメジャーへ移籍した場合の“穴”だ。背番号1の夢が実現すれば、昨季までの右翼と4番を欠く。「痛いのは、痛い」。一方で偽らざる思いもある。
「丸の時もそうだし、誰かがいなくなったから弱くなったとは言われたくない」
ポジションを狙う若手らにとっては好機。定位置を狙う選手に熱い言葉を投げかけた。
「いなくなったところでチャンスだと思って出てくる選手はいる。新しい力は絶対に必要。逆にプラス(になるという)ぐらいに、その空いたポジションの選手は思ってもらわないと、やっぱり上にはいけない」
外野はチーム屈指の激戦区だ。西川、野間が定位置確保を目指し、宇草、正随、ドラフト3位・中村健(トヨタ自動車)らの若鯉も虎視眈々(たんたん)とレギュラー獲りを狙う。16年からのリーグ3連覇に貢献した菊池涼は、チーム内の競争激化がV奪回につながると信じている。
自身も中心選手としての自覚がにじむ。佐々岡監督は菊池涼をただ1人の「レギュラー」と言ってきた。「責任もある。その言葉に甘んじないように」。キャンプでは若手に交じって特守に入り、助言を積極的にする意気込みだ。プレー以外ではコーチ陣と選手との橋渡し役に意欲を示す。チームの結束力をさらに強くする構えだ。
「(新庄)ビッグボスも言ってましたけど、優勝しますと言ってもそんなに簡単じゃないと思う。去年もそうだったし、みんなの力が必要。カバーし合いながら、一戦一戦必死にやっていくのが一番の近道じゃないかなと思う」。プロ11年目。若いチームの旗頭となり、けん引していく。