広島・佐々岡監督“隠密”ルーキー初視察 黒原&森に「2人とも考えて投げていた」
広島の佐々岡真司監督(54)が16日、廿日市市の大野練習場で行われた新人合同自主トレを初視察した。報道陣非公開となったこの日はドラフト1位・黒原拓未投手(22)=関学大=と同2位・森翔平投手(24)=三菱重工West=が初めてブルペン入り。指揮官は“隠密チェック”で即戦力左腕2人に高評価を与えた。
遠目からでも、素質の高さを感じ取れた。視線の先にあったのは、熱気のこもったブルペン。佐々岡監督は、期待を寄せる黒原と森の初ブルペンを初めて視察した。球団を通じて取材に応じ「球筋は見られなかったけど、ともにバランスよく投げていた印象」と納得顔でうなずいた。
この日の大野練習場は、報道陣非公開。指揮官は“隠密”でルーキーたちが汗を流す場所に足を運んだ。新型コロナウイルス感染防止の観点から選手たちとは対面せず、練習場2階のコーチ室から窓越しに視察。訓示などは行わなかった一方、傾斜で腕を振る2人の姿に目を凝らした。
ブルペン投球の前段階から、2人の所作に感心。「キャッチボールからずっと見ていたが、2人とも考えながら投げていた」と、テーマを持って取り組む意識の高さに目尻を下げた。2人とも立ち投げで黒原は25球、森は30球を投げて感触を確かめた。
黒原は、今年初のブルペンで全球直球を投げ込んだ。「ほぼ全力に近いぐらいで、力を入れて投げました。少し抜け気味だったと思うので、あす以降修正していけたら」と冷静に自己分析した。
佐々岡監督視察を事前に正式な形では知らされておらず、周囲からの話で耳にしたという。黒原は「特に緊張はなかった。自分らしく、いいところを見ていただけるように思い切って投げさせてもらった」と話し、指揮官の高評価には「そういうふうに言っていただけるのはいいことなので、これからも継続していければ」と発奮した。
一方の森は「強めに投げて、傾斜を使った感覚を確認したくて(ブルペンに)入りました。今の時期は強い球を意識している。強い球は、何球か行っていたと思う」と自身に対し、まずまずのジャッジ。今後は捕手を座らせたブルペン投球を行い、キャンプインを迎える見通しだ。
起用法は未定だが、即戦力左腕2人の活躍は覇権奪回を目指す上で欠かせない。「順調に仕上がっていると思う」と佐々岡監督。初視察を終え、明るい材料を持ち帰った。