広島・ドラ3中村健 ポスト誠也へ鮮烈1号弾!紅白戦初打席初球「いい形で振り切れた」
「広島紅白戦、白組5-2紅組」(11日、天福球場)
広島のドラフト3位・中村健人外野手(24)=トヨタ自動車=が11日、今キャンプ初の紅白戦でいきなり“チーム1号”となる本塁打を放った。白組の「2番・右翼」で先発出場し、初回無死一塁で初球を左翼席に2ラン。長打力で首脳陣に猛アピールした。“ポスト鈴木誠”の台頭が待たれる中、頼もしい若武者がその存在に名乗りを上げた。
観衆もチームメートも、その一撃に思わず息をのんだ。中村健が力強く放った打球は大きな放物線を描きながら、あっという間に左翼席へ着弾。どよめきと拍手が注がれる中、さっそうとダイヤモンドを一周した。紅白戦初打席で初球本塁打。離れ業をやってのけたルーキーは「手応えはすごく良かった。いい形で振り切れたので、フェンスを越えてくれて良かったです」と納得顔で振り返った。
強烈なインパクトを残したのは初回無死一塁での第1打席。高橋昂の初球、外寄りカットボールを振り抜き、今キャンプの“チーム1号”。「そこはラッキーということで」と笑ったが、文句なしのアピールに成功した。
練習では、初見の投手へのアプローチを意識。この日の一発は左投手の変化球だった。左肩を開かず捉え「開いてしまったらファウルゾーンに飛ぶ。球の内側(を打つ)練習が、いい結果につながった」と手応えを持ち帰った。
キャンプでのチームの命題は“ポスト鈴木誠”の発掘。メジャー移籍が実現すれば、打線は昨季38本塁打で首位打者と最高出塁率に輝いた主砲を欠くことになる。長打の打てる外野手の台頭が待たれる状況下で飛び出した中村健の“鮮烈弾”。佐々岡監督も「実戦で結果を出してくれている。右の長距離砲は今のチームに必要」と頼もしげに評価した。
この日は3打数1安打2打点。課題は高橋昂に喫した2打席目の見逃し三振。カウント1-2から1球ファウルを挟み、5球目の直球に手が出なかった。「厳しい球に触りさえすれば、もう1回勝負できる」と粘りを今後のテーマにした。
他競技からもエネルギーをもらった。北京五輪のフィギュアスケートで銅メダルを獲得した宇野昌磨(24)は高校の同級生。親交はないが「すごくいい刺激はもらっています」と発奮した。し烈な外野のレギュラー争いに向け「きちんと(ボールに)コンタクトしていけるように、がんばりたい」と中村健。24歳のルーキーには、チームとファンの大きな希望が詰まっている。