広島の4番は日替わり?北別府氏「4番目の打者という捉え方で固定しないのでは」
鈴木誠也が抜けたあとの4番打者に注目が集まる広島だが、デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「当面は4番目の打者という位置づけで、固定しないのではないか」と推測。チーム状況や戦況に応じた打順構成で最大の“課題”を乗り切るとみている。
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鈴木誠也が座っていた4番のイスはだれのものになるのか。ファンならずとも興味のあるところだろうが、今のところ、まだ抜け出した選手はいないね。
新外国人のライアン・マクブルーム内野手の様子がわからないからだが、現時点では坂倉が一歩リードか。コンディション不良で、キャンプがリハビリ組でのスタートになったのは心配だけど、昨シーズンの実績からすれば、彼が4番を打ってもおかしくない。
ほかにパンチ力のある林とか堂林、長野、松山らの名前が浮かんでくるが、レギュラー選手として試合に出られるのかはっきりしないだけに、なんとも言えないね。
そもそも誠也の代わりを務められる選手などザラにはいない。そう思うと、いかにその存在が大きかったか。しかし、そんな選手がカープで育ったのだから、また育たないとも限らない。育成では他チームがマネできないほどだと思ってますから。
4番に関しては当面、その時々の状況で判断していくしかないだろうね。調子のいい選手を起用したり、右投手か左投手かという相手先発との兼ね合いや相性。4番打者というより4番目の打者という捉え方で、固定しないのではないかと思うね。
残された今の選手に昨年、誠也が残した打率・317、38本塁打、88打点と同じ数字を求めるには無理がある。長打でなくても適時打でOK。そう考える方がいい。
山本浩二さんが4番に定着したのはリーグ優勝した1975年だから20代の終わりごろ。それまではチームの顔として山本一義さんがドーンと構えていた。
今のチームは若いんだから、これから先、その役割にふさわしい選手が出てくるはず。浩二さんだって最初は中距離打者と言われていたわけだから。それが536本塁打も記録する大打者になった。
坂倉も林もまだ若いし、中村奨成にもどんな才能が眠っているか分からない。新人の中村健人や末包も面白そうだ。
もちろん、それだけの素養が必要ではあるが、若い彼らが将来、チームを背負う凄い選手に育っているという可能性はある。
4番不在を悲観していても始まらないしね。見方を変えれば、鈴木誠也の抜けた穴をどう補い、どう戦うか。どんな若い力が芽吹いてくるか。逆に楽しみでもありますよ。