広島・栗林 制球力アップ手応え 初シート打撃登板 打者11人無四球4K
「広島春季キャンプ」(17日、沖縄)
広島の栗林良吏投手(25)が17日、今キャンプ初めてシート打撃に登板し、改善を目指す制球力に手応えをつかんだ。打者11人に30球を投げ、3安打4奪三振。3ボールは一度もなく、ストライク先行の投球で打者を打ち取った。さらに延長12回制の復活を考え、イニングまたぎを想定してマウンドに上がったことも収穫。開幕に向け、着実に階段を上っている。
悪条件をものともしない。登板前から降り続く雨を背中に浴びながらも、栗林が課題克服に前進する投球を披露。打者11人を3安打無四球4奪三振。テーマに掲げる四球減へ、手応えをつかんだ。
「3ボールとかもなかった。自分がやってきたことをやれてるのかなと思います」
堂林には直球、カーブの2球で追い込みフォークで空振り三振。野間、羽月、上本はそれぞれ、わずか2球で打ち取った。持丸との1度目の対戦では、ストライク先行の投球から最後は直球で空振り三振に仕留めた。
昨季は52回1/3を投げて与四球は28個。許した23安打より多かった。雨の影響で体感温度は低く、マウンド状態も万全ではなかったが、指先に狂いはなし。佐々岡監督は「投手全体がそういう課題(四球減)を掲げている中でも、しっかりできている。順調に来ている」と笑顔を見せた。
また、3年ぶりに延長12回制となることを考え、イニングまたぎも想定。間隔を空けた2度目の登板では、無死二塁など走者を置いた場面で腕を振った。
「クイックとかがあったけど球がいっていなかった。そういうところも徐々に体が慣れていけたら」。昨季イニングをまたいだのは5月8日・中日戦の一度だけ。“リミッター解除”を見据えたマウンドも収穫となった。
今季の戦いに向け、気持ちは高まっている。16日に、古巣のトヨタ自動車が元DeNA・細山田氏の現役引退を発表。栗林にとって恩人と言える存在だ。
「一番の武器だったスライダーをなくして、カーブの方がいいよと言ってくれた。細山田さんに出会わずスライダーで勝負していたら今の自分はない」と栗林。助言を受け、最も自信のあったスライダーを封印。カーブとフォークを交えるスタイルでプロへの道を切り開いた。「ほんとに感謝したい」。活躍が恩返しとなる。
19日の沖縄第2クールからはもう一段ギアを上げる。「次のクールは実戦が入ってくる。今までやってきたことを出せるようにやりたい。結果にこだわる」。誰もが信頼を置く守護神。期待に応えるために腕を振る。