広島・大瀬良 開幕星「幸せです」 通算1000回投球に王手!自ら適時打!
「DeNA3-11広島」(25日、横浜スタジアム)
悔しさが募った。七回2死一、二塁だ。桑原に左翼フェンス直撃の適時二塁打を浴びた直後に、広島・大瀬良は降板を告げられた。任されたイニングを投げきれず、唇をかんだ。
「イニング途中で代わるのは、リリーフにも負担をかけてしまう。塹江には申し訳なかったですけど、そこは信頼していました」
4年連続となる開幕投手を託された。序盤からアクセル全開。最速150キロの直球を軸にカーブなどを織り交ぜた。佐野、牧に安打を許し、暴投が絡んでピンチを広げた四回は、最少1失点で切り抜けた。
球数が100球を超えた七回に捉えられ6回2/3を6安打3失点(自責点2)。通算1000投球回はあと1/3回足りなかった。
途中降板したが、独特の緊張感が包む試合で粘り強く投げ、流れを手放さなかった投球は頼もしい。バットでは1安打1打点。送りバントもきっちり決め得点へつなげた。開幕戦は4戦3勝だ。
「全ての球場がそういうふう(満員)になってくれると、野球選手としては敵味方ありますが幸せです」
プロ初完封した14年9月6日のDeNA戦は、満員御礼の横浜スタジアムの左半分以上を真っ赤に染めた鯉党から起こった「大瀬良!大瀬良!」の大合唱を力に変えた。今季は3年ぶりに観客の制限がない。鯉党の思いも背負い、マウンドで戦い抜いていく。
「これまでの(開幕投手を務めた)3回なんて比にならないくらい、めっちゃ緊張したし、いろんな思いもあってすごく疲れました」。大役を務め上げ、大きく深呼吸した。