広島・ドラ6末包 衝撃!初打席初安打が先制V打 64年ぶり球団新人開幕猛打賞
「DeNA3-11広島」(25日、横浜スタジアム)
プロ野球は25日開幕し、各地でセ・パ6試合が行われた。広島は敵地でDeNAに11-3で大勝。ドラフト6位・末包昇大外野手(25)=大阪ガス=が「7番・右翼」で先発し、二回にプロ初打席初安打初打点となる先制打を放つなど3安打1打点の活躍を見せた。新人の開幕戦猛打賞は球団では1958年の森永勝治、古葉毅以来64年ぶり。ポスト鈴木誠也どころか、レジェンドたちに肩を並べる快挙。この新人、ただ者ではない!?
ドラフト6位・末包がとんでもないことをやってのけた。球団64年ぶりの新人の開幕戦猛打賞。森永勝治、古葉毅という名選手の残した記録に並んだ。
プロ初打席も鮮烈だった。二回1死一、三塁の場面で東の外角低めに逃げるチェンジアップに必死にバットを伸ばし左前に落とす先制打。新人が開幕戦でプロ初打席初安打は1961年の山本一義以来、61年ぶり。もちろん、そんなことは塁上のルーキーが知るはずもなく、右拳を上げて喜んだ。
「初物づくしでよく頑張ったと思います」
東は東洋大3年時のオープン戦で対戦し、本塁打を放った相手。「大学時代の自慢が唯一それなので。いいイメージを持っていきたい」と話していた。
期待の大砲候補だが、東洋大では目立った成績は残していない。打撃より守備で貢献する選手だったという。
四回先頭ではその東のスライダーを左翼フェンス直撃の二塁打。詰まりながらもあと数十センチで本塁打。怪力を見せつけた。
六回には代わった伊勢の149キロをきれいに中前にはじき返してみせた。
スタンドには実家のある香川から両親が応援に駆けつけていた。その前で大活躍。そして、ヒーローインタビューにも登壇した。
「野球を続けさせてくれてありがとう。これから活躍する姿を見せられるように頑張っていきたい」
ルーキーとはいえ25歳。若くはない。球団では06年の梵英心以来3人目となる新人開幕スタメンを言われても浮かれるところはなかった。
「この年齢なので、この1年で結果を残さないと厳しくなる勝負の1年」
悲壮感にも似た感情を持って臨んだ開幕戦。最高の結果が待っていた。
「まだ試合が終わったばっかりです。これから頑張って頑張って優勝に貢献できるようにガツガツガッツでいきたいと思います」
ポスト鈴木誠也を期待される男はたった1試合でカープファンの心をわしづかみにした。