広島ドラ2森 1軍昇格へのカギは制球力
広島のドラフト2位・森翔平投手(24)=三菱重工West=が1軍昇格に向けて試行錯誤を重ねている。1軍キャンプに参加して開幕ローテ入りを争っていたが結果を出せず2軍再調整。現在は2軍戦での先発を通して結果を求めている。課題の制球力を改善させて、1軍マウンドに立つ日を目指す。
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試合の中でしか得られない経験がある。収穫と課題を冷静に分析しながら、森は一歩ずつ前進している。「はじめから、ゾーンの中で勝負できるように」と話すように、制球力の改善が現状打破への鍵になる。
2軍での公式戦初登板は25日のウエスタン・オリックス戦(杉本商事BS)。先発して6回を投げ、8安打を許しながらも1失点にまとめる粘投だった。与えた四球は2つ。試合後の本人に納得した様子はなく「ほとんどボール先行だった」と自身へのジャッジは厳しかった。
それもそのはず。対戦した打者27人中、初球から3球連続ボールでカウント3-0としたのは5人。2四球はいずれもストレートの四球だった。「投げる時のラインをしっかり意識していく。ストレートでファウルを取れて、どの変化球でもカウントを取れる印象を与えないといけない」。常にストライクを取れる投球で安定感を求めていくことがアピールにつながる。
春季キャンプでは1軍に帯同し、ライバルたちと開幕ローテ争いを繰り広げてきた。だが8日のオープン戦・阪神戦(甲子園)では1死しか奪えず、5安打2四球7失点でローテ争いから脱落することになった。技術不足を痛感し「自分の球を投げられていない状況で試合に入っていた」と振り返った。
2軍再調整を命じられて以降、最初の先発は15日の教育リーグ・ソフトバンク戦。その際は5回4安打無失点で、四球も1つにとどめる及第点の内容を見せた。相手は調整登板で先発した、ベテランの和田。百戦錬磨の左腕と投げ合い「どんどん自分のペースにしている感じがした。こういう機会は、めったにないと思うので」と、自身の投球にも還元していく。
2軍の先発として実戦登板を重ねる現状。シーズンは幕が明け、早期の1軍昇格を見据えている。「(1軍に)いつ呼ばれてもいいようにしたい。内容にこだわりたい」と森。味わった悔しさを糧に、1軍舞台への準備を整えていく。
◆森翔平(もり・しょうへい)1998年1月1日生まれ、24歳。鳥取市出身。177センチ、80キロ。左投げ左打ち。投手。鳥取商、関大、三菱重工Westを経て2021年度ドラフトで広島から2位指名。小1から野球を始め、青谷中時代は鳥取クラウンボーイズでプレー。鳥取商時代は1年夏からベンチ入りも甲子園出場なし。関大では3年春からリーグ戦に登板して4年時に明治神宮大会準優勝。