西川龍馬でカープ逆転サヨナラ!開幕4連勝で単独首位 今季セ初!指揮官「勢い出る」

9回、サヨナラ打を放ちガッツポーズを決める西川(撮影・田中太一)
お立ち台で笑顔を見せる上本(左)と西川
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 「広島3-2阪神」(29日、マツダスタジアム)

 広島が劇的勝利で、球団では18年以来となる開幕4連勝だ。1点を追った九回1死満塁から、西川龍馬外野手(27)が右越えのサヨナラ2点適時打を放った。セ・リーグでは今季初となるサヨナラ勝利で、佐々岡政権下では最多となる貯金「4」に。「逆転のカープ」が価値ある一勝をもぎ取り、単独首位に躍り出た。

 最高の瞬間だ。長野に抱き上げられた西川は、左拳を高々と広島の夜空に突き上げた。ベンチから駆けだしたナインがその輪に飛び込む。坂倉が、野間が、マクブルームが抱きつき、興奮は最高潮だ。地元開幕戦。サヨナラ勝利で飾った。

 「つないでくれたので何とか仕事をしようと思っていた」。自身初のサヨナラ打。西川はお立ち台で大きな拍手を浴びた。

 1点を追った九回1死満塁で出番が訪れた。マウンドには、守護神・ケラーから代わった湯浅だ。心も体も準備万端。2球目の直球を鋭く振り抜くと、打球は右翼・佐藤輝の頭上を越えた。

 「打席に入る前に大勢のファンの皆さんの、歓声じゃないけど、期待を感じたので、そういう期待に応えたいなと打席に入った」

 特別な味がした勝利だ。入場制限が撤廃され、2万8028人がスタンドを埋めた。声を出しての声援はない。それでも、メガホンや拍手などに背中を押された。大きな力をバットに込めた。

 新型コロナウイルス陽性のため、キャンプは2軍スタート。自主トレで積み上げてきたものが「全然わからなくなった」と話したこともあった。それでも猛練習で、短期間で一から積み上げてきた。

 全員でもぎとった勝利でもある。1死二塁から打席に立った上本は、ケラーからファウルを打ち続け12球目で四球をもぎとった。「粘って次につなげば100点」。西川と共にお立ちに上がった上本は充実感いっぱいだ。

 18年以来となる開幕4連勝で単独首位。貯金は佐々岡監督就任以来最多の「4」に伸びた。頼もしい選手たち。指揮官は「こういう勝ち方は勢いが出る」と力を込めた。

 今季を前に評論家の下馬評は軒並み低かった。上本が「ファンの皆さん、なんか下馬評では僕ら最下位で言われているんですけど、そんなん関係ねぇ、やってやろうや」と声を張り上げた。西川も「開幕前にモチベーションを上げるビデオを見て開幕を迎え、良いスタートを切った。一人一人がやってやろうという気持ちでやっている」と前を向いた。カープの勢いは誰にも止められない。

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