プロ初本塁打の広島・末包 名前に込められた「大きいまま昇って」
「中日4-3広島」(2日、バンテリンドーム)
1点リードの延長十二回、守護神・栗林良吏投手(25)が打ち込まれサヨナラ負け。プロ初のセーブ失敗となり、チームは今季初の連敗を喫した。惜敗の中で輝いたのは、五回にドラフト6位・末包昇大外野手(25)=大阪ガス=のバットから飛び出したプロ初本塁打。大砲候補の放物線が、明るい未来を感じさせた。
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ボールを持てば地元の人気者。少年野球チームでは投手と捕手を兼務し、小学4年時には球速が100キロに達していた。地元のお祭りで実施された“スピードガンコンテスト”では主催者から「来てほしい」と懇願されるほど、存在感は際立っていた。
だが高校時代は肩や左手首を痛め、毎年のようにケガと戦った。大学、社会人を経てのプロ入り。周囲から活躍を不安視されることもあった一方、親には「一喜一憂しなくていい」と伝え、自身のスタンスがブレることはなかった。
名前は昇大と書いて「しょうた」と読む。本来なら「太」という字になるところだが、両親は「大」の字を選んだ。生まれた時から大柄ということもあり「大きいまま、昇っていってほしい」。そんな強い願いを込められた。チームは惜しくも敗れたものの、節目の一発は色あせない。25歳のルーキーはさらに大きく、たくましい打者へと成長していく。(広島担当・向 亮祐)