カープ・マクブルーム お待たせ来日1号 初回同点2ランもその後151キロ直球直撃
「広島9-2巨人」(7日、マツダスタジム)
ついに出た!広島の新外国人、ライアン・マクブルーム内野手(29)が、初回2死一塁から来日初本塁打を放った。開幕から32打席目で待望の一発。試合前時点でチーム本塁打数2本は12球団最少タイだった中、助っ人が価値あるアーチで勝利に貢献した。チームは2カードぶりの勝ち越しで貯金「4」。ここから再浮上を図る。
左手一本でバットを高く掲げながら、マクブルームは打球の行方を確信した。来日9試合目、32打席目で豪快に奏でた節目の一発。大きな拍手を浴びながらダイヤモンドを一周し、長い歩幅を合わせて本塁を踏んだ。ナインから盛大な祝福を受け「(点を)取られた後にすぐ取り返すことができて良かった」と満足げに振り返った。
待ちに待った一撃は2点を追う初回に飛び出した。2死一塁で巨人先発・堀田が投じた2球目の直球を完璧に振り抜いた。高々と舞い上がった打球は、左翼席に着弾する1号同点2ラン。「高めの甘く来たところを、しっかり捉えることができた」。初回に4連打で2点を先制され、嫌なムードが漂い始めていた中、一振りで試合を振り出しに戻したことが勝因につながった。
試合前時点でチームは11試合を消化して12球団ワーストタイの2本塁打。つなぎの攻撃で開幕6連勝を果たした一方、一発は菊池涼と末包のソロのみだった。近年のチームに欠けていた長打力という武器。打線全体に迫力を与える意味でも、長打のあるマクブルームの存在は頼もしい。
しかし、七回無死一、三塁の第4打席ではビエイラの3球目、151キロ直球が側頭部を直撃。倒れ込むことはなかったが、場内が騒然とする中、トレーナーらに連れ添われてベンチへ退いた。その後、試合中に広島市内の病院へ向かい、蔦木トレーナーは「CT検査の結果、頭部打撲の診断を受けました。あす(8日)以降については、あす朝の状況を見て判断します」と語った。
2カードぶりの勝ち越しを決めた佐々岡監督は「すぐ一発で同点に追いつけて、球場全体が良い雰囲気の中、戦えた。本当に、まじめに練習に取り組んでくれているし、修正能力もある選手。一発で仕留めたのは大きい」と勤勉な姿勢をたたえ、活躍に目を細めた。首位・巨人に2勝1敗と勝ち越し、8日からは敵地・甲子園で阪神との3連戦。新助っ人の状態は心配されるが、チーム一丸で白星を積み上げる。
◆ライアン・マクブルーム(Ryan McBroom)1992年4月9日生まれ、29歳。米国バージニア州出身。190センチ、99キロ。左投げ右打ち。内野手。背番号10。2014年MLBドラフト15巡目(全体444位)でブルージェイズ入団。19年にロイヤルズでメジャーデビュー。メジャー通算成績は66試合、打率・268、6本塁打、16打点。