広島つなぎの野球で執念ドロー 七回から6人無失点リレー 首位巨人と0・5差
「阪神3-3広島」(8日、甲子園球場)
今季2度目の延長戦は初の引き分けに終わった。巨人が敗れたため勝てば1日以来の首位返り咲きとなる一戦。前日、頭部死球の主砲ライアン・マクブルーム内野手(29)が大事を取ってベンチを外れる中、投打ともに“つなぎの野球”で執念を見せた。
届かなかったが、勝利への執念を見せた。延長十一回の攻撃だ。先頭の上本が粘る。湯浅に対して3球でカウント1-2と追い込まれるが、そこからファウル、ファウル。気がつけば9球ファウルののち15球を投げさせ、四球を選んだ。次打者・堂林へ向けてラッキーボーイは左手を挙げてガッツポーズ。だが、続く堂林はバント失敗で併殺に倒れる最悪の結果。続く西川も見逃し三振で傾きかけた流れを手放してしまった。
延長十一回裏には先頭・大山の三ゴロを坂倉がはじき失策。そこから1死一、二塁のピンチを迎えるが、菊池保が踏ん張り小幡、代打・坂本を打ち取った。
前日、頭部死球を受けた主砲マクブルームは球場入りしたものの、チームとは離れて別メニューで調整。大事を取ってベンチ入りも外れた。
ピンチにもかかわらず序盤は理想的に試合を進めた。初回に藤浪の制球難を攻め、2四球から坂倉の先制打につなげた。
二回には2死三塁から西川が右前適時打で追加点。四回には上本の四球から大瀬良が犠打で2死二塁とし、またも西川。藤浪の153キロをたたき、右中間を真っ二つに割る適時三塁打で加点した。
「(上本)崇司さんが出て(大瀬良)大地さんがしっかり送ってくれたので返すことができて良かったです。最後まで引き続き頑張ります」
これでチームトップの10打点目。開幕から1番に座り続ける男が打点を稼ぐ。ここに快進撃を続ける秘けつがある。
勝てば1日以来の首位に返り咲くチャンス。大砲が出られなくてもつなぐ意識でカバーしてみせた。
エース大瀬良は踏ん張れなかった。それでも相手に先を越されることはなかった。七回からは塹江、中崎、島内、黒原、菊池保、栗林と6人による無失点リレー。打線だけでなく、ブルペンも見事につないでみせた。
勝てなかった。が、負けもしなかった。首位巨人との差は0・5ゲームに縮まった。