広島の持丸泰輝捕手（２０）が打撃面での確実性向上に努めている。打撃が武器の育成３年目は現在、“三振しない打者”になることをテーマに掲げている。春季キャンプは１軍メンバーに名を連ね、オープン戦の終盤まで１軍に帯同。捕手としてのレベルアップも目指しながら、貴重な経験を糧に支配下登録を目指していく。

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　明確な目標を掲げながら、持丸はファームで懸命に汗を流している。春季キャンプからオープン戦終盤まで１軍に帯同。１軍クラスのレベルを肌で感じられた経験は、今後への財産になった。その上で現状、目指すのは三振減。「三振をしない、三振を少なくというところはテーマにしてやっている」と明かした。

　その狙いは確実性の向上。開幕前のオープン戦、レギュラー陣の打撃を間近で見て感じたことがあった。「イメージで言えば（西川）龍馬さん、坂倉さんのような打者になりたいと思っている。いかに投手の球をしっかりコンタクトできるかを大事にしている」

　パンチ力ある打撃が武器。チーム屈指の打撃技術を誇る西川、坂倉の打撃に自身の姿を重ねた。特に西川の打席では、いかに自身が主導権を握るかを学んだ。「投手が三振を取りに来ている球も簡単にファウルして、次の球、次の球でしっかり勝負しているイメージがあった。そこは自分との大きな違い」

　粘って粘って、追い込まれていても投手有利にさせない。それに加え、甘い球を一振りで仕留める技術の高さも痛感した。「やっぱり首脳陣の方からも、三振しないというのは信頼感、信用にもつながってくると思っている」と持丸。終盤の好機で代打を送られないためにも、三振しない姿勢を重視していく。

　捕手としてのレベルアップも欠かせない。キャンプでは倉１軍バッテリーコーチから、配球面でさまざまな助言を受けた。「全部の球に関して『つながりを持った配球をしなさい』と。１球１球、自分の考えや意図を持ってサインを出すことを大事にしたい」と意気込んだ。根拠を持って投手をけん引し、存在感を発揮していく。

　オープン戦での１軍出場を通じて、確かな手応えを得た。「気持ちに余裕ができたというか。２ストライクに追い込まれても、自分を追い詰める感覚にならなくなってきた。守備も“いい余裕”を持てていると思う。あとはしっかり結果が出ればいいと思っています」。育成３年目の今季こそ、アピールを続けて支配下選手登録をつかみ取る。

　◆持丸　泰輝（もちまる・たいき）２００１年１０月２６日生まれ、２０歳。北海道出身。１７７センチ、８２キロ。右投げ左打ち。捕手。旭川大高から２０１９年度育成ドラフト１位で広島入団。