菊池涼 勝利に貢献3打点 広島10年ぶり坊っちゃん星 球団4500勝まであと5勝
「ヤクルト1-5広島」(13日、坊っちゃんスタジアム)
広島の菊池涼介内野手(32)が2安打3打点で勝利に貢献した。1点を先制して迎えた二回に点差を広げる左前2点適時打。四回にも中前適時打を放った。前日12日も3安打1打点を挙げており、2試合で計5安打4打点の大暴れだ。松山・坊っちゃんスタジアムでの勝利は12年7月4日の阪神戦以来。また、この日の白星で球団4500勝まであと5勝に迫った。
鋭くはじき返した白球が松山の芝生で跳ねた。床田に勇気を与えるとともに、野手陣の背中を押す一打となった。15年以来となる坊っちゃんスタジアムでの2連戦。菊池涼のバットがチームを鼓舞した。
「チャンスでランナーを返すことができて良かった」。二回の一打を振り返り、汗をぬぐった。1点を先制し、なお2死二、三塁。2球目のフォークをうまくすくい上げ左前へ運んだ。堂林の先制打だけでは終わらず、試合の流れをグッと引き寄せる左前2点適時打となった。
3-0の四回は1死一、三塁から中前適時打。「いい所に落ちてくれました」。上本が死球で出塁。床田が送りバントを決めるなど下位打線からつくった好機を確実に得点に結び付けた。
前日12日も3安打1打点。この日も2安打3打点だ。佐々岡監督は「つないで、という攻撃の中で本当に仕事をしてくれました」と目尻を下げた。
チーム本塁打はリーグ最少の4本。全員がつなぐ意識を共有し打席に立つ。2番で出場する背番号33は送りバントを含めて献身的な活躍が続いている。
3月29日の阪神戦では史上8人目となる300犠打を達成。節目を迎え「サインに忠実にやってきて。今季はバントも増えるということでしっかり練習してきた」と話した。つなぎ役に徹するときがあれば、この日のようにポイントゲッターとして勝負強さを発揮する。2番打者の存在が何よりも頼もしい。
ヤクルトには昨季8勝14敗3分けでセ・リーグで唯一負け越した。12日は敗れたものの、一夜明けたこの日はつなぐ野球で勝利をつかんだ。毎年試合があった訳ではないが、同球場での白星は12年7月4日の阪神戦以来10年ぶり。また史上9球団目となる通算4500勝まであと5勝に迫った。
開幕前の下馬評を覆し11勝5敗1分けの2位。首位巨人とは0・5差だ。一発の派手さはなくても一丸となってたたみ掛ける攻撃でセ界を席巻してみせる。
◆3570日ぶりの松山星 広島が松山で勝利したのは2012年7月4日の阪神戦以来、3570日ぶり。この試合以降、松山では15年4月15日・ヤクルト戦で完封負けを喫していた。