広島「大瀬良に勇気を与えた新打線と、応えたエースの直球」石原慶幸氏が解説
「広島6-1DeNA」(22日、マツダスタジアム)
巨人によもやの3連敗を喫して戻ってきた本拠地。そこで踏ん張ったのがエース・大瀬良であり、その大瀬良を新たな打線が援護した。投打が再びかみ合ったナイスゲームを本紙評論家・石原慶幸氏が振り返った。
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大瀬良は八回まで無失点。九回途中、1失点降板という結果に関しては、投げきりたかっただろうと察する。
しかしこの日の登板に関して言えば、理想的な投球を貫くことができたのではないだろうか。
前回、16日の中日戦でも6回2失点で白星を手にすることはできたが、内容に納得はできてなかっただろう。というのも、この時は三回までに4安打を許し、2失点ながらマウンドで苦しむ場面が多く見られた。
それがこの日は一転して、バッテリーとして理想的なプランでアウトカウントを増やしていくことができた。その違いは、真っすぐの質だ。「大瀬良と言えば、曲がり球」と見られがちで、前回はその変化球が有効に機能しなかった。
しかしこの日は、直球でカウントを取り、ファウルや空振りにさせることができた。変化球を生かすも殺すも直球であって、球速を超えた“質”の良さがこの日の好投を支えたと言える。
4連敗で迎えたこの試合。エースとしてのプレッシャーも大きかっただろうが、大瀬良が思い通りの投球をするよう背中を押したのが初回の4点だ。大幅に打順を組み替え、2死一塁からの4得点は、チームに流れを呼び込み、大瀬良も大いに勇気づけられたはずだ。
その打順組み替えのキーマンは、ここまで調子が上がらなかった小園だろう。この日は3番から8番に変わった。ただ、これは「降格」ではなく、佐々岡監督の「配慮」だ。
休ませる、という選択肢もある中で、小園の守備力を買っての出場継続、そして「楽に打たせよう」という配慮。本人がどう感じたかは不明だが、打席では適時打を含む2安打と結果を残した。しっかり復調して戻ってくれば小園はひと皮もふた皮もむけるだろうし、その姿を佐々岡監督もファンも待ち望んでいるはずだ。