広島・九里 116球の力投 勝たせたかった 7回無失点で防御率セ界トップ浮上

4回、先制2ランを放った坂倉(31)とタッチを交わす九里(左端)=撮影・立川洋一郎
 7回無失点と好投した九里
 7回、松本直(中央)を併殺打に打ち取る九里(撮影・立川洋一郎)
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 「広島5-9ヤクルト」(28日、マツダスタジアム)

 試合終了の瞬間まで、広島・九里亜蓮投手はベンチの最前列で仲間を信じた。逆転負けを喫した中、マウンドで示した116球の力投は決して色あせない。7回3安打無失点。「調子がすごく良かったとは思っていないが、長打のある打者も多いので、粘り強く最少失点でいけるようにという気持ちで投げていた」。役割は果たしたが、今季2勝目は手にできなかった。

 最大のピンチは、2-0の六回に訪れた。安打と味方の失策、四球などで2死満塁とされたが、塩見をツーシームで三ゴロ。場内から大きな拍手を浴びた。登板予定だった26日の先発が雨で流れ、中8日で仕切り直しの一戦は五回まで1安打投球。「行けと言われたところでしっかり自分の投球をするだけ。これからもそれは変わらない」とうなずいた。

 この日の投球で防御率は1・65に下がり、リーグトップに躍り出た。今季の登板5試合全てが自責点2以内の右腕。打線との兼ね合いがあるとはいえ、安定感を誇りながらもまだ1勝にとどまっている現実にもどかしさが募る。「チームに勝ちがつながるような投球ができるように、準備をしていくだけかなと思います」と九里。次戦こそ、流れを変える白星を手中に収める。

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