広島・大瀬良 エースが完封で決めた球団通算4500勝! 無四球でトップタイ4勝目
「中日0-1広島」(29日、バンテリンドーム)
広島の大瀬良大地投手(30)が2安打完封でリーグトップタイの4勝目を手にした。無四球での完封勝利は19年8月2日・阪神戦以来だ。抜群の制球力を軸に直球、変化球を低めに集めて中日打線を手玉にとった。チーム3試合ぶりの白星でプロ野球史上9球団目となる通算4500勝へ導いた右腕。敵地での連敗も3で止めて見せた。
底力を示した。九回2死、左翼・西川が白球をグラブに収め27個目のアウトを奪った。大瀬良は充実感いっぱいにナインとタッチを交わす。117球でわずか2安打、そして無四球。ハーラートップタイの4勝目を今季初完封で飾り「自分史」を塗り替えた。
「真っすぐで詰まらせたいというところは勝負にいって詰まらせることができたし、ゾーンで打ち取りたいなというときは低めに投げてゴロを取れた」
抜群の制球力を軸に直球と変化球を効果的に織り交ぜた。1-0の七回1死では一発があるビシエドを3球連続スライダーで空振り三振に斬った。相手先発は高卒2年目の高橋宏。若さを前面に押し出して三振を奪う右腕とは対照的に、丁寧に腕を振る姿が印象的だった。
二塁を一度も踏ませない安定感。佐々岡監督は「大地の投球に尽きる」と最敬礼した。
「まだまだ道半ば。でもイメージがこの前の投球で、できた」
8回1/3を8安打1失点で3勝目を手にした前回22日・DeNA戦で手応えがあった。下半身が粘り、その上で上半身がついてくるフォームだ。
さまざまな人に助言を求めたり、他選手の動画を見たりするなど飽くなき探究心がある。理想とするのは18年から2年連続でサイ・ヤング賞を獲得したメッツのデグロムだ。「僕とは全くタイプが違うんですけどね。体の使い方で力強い球を投げているんです」。年齢を重ね体にも変化がある。自身の体を理解しながら技術を突き詰め白星へ道びく投球を体現していく構えだ。
中日との前回3連戦は敵地で3連敗。加えてチームは前日28日のヤクルト戦に逆転負けするなど2連敗してこの日を迎えた。連敗ストップを託された一戦。最高の結果を残し9球団目となる通算4500勝をもたらした。
「勝ってみんな笑顔で引き返していた。ロッカーもすごくいい雰囲気だった。こういう試合を続けていけるように、みんなで力を合わせていきたい」。エースは言葉を紡いだ。大瀬良が大黒柱としての責任を果たし、チームに新たな力を吹き込んだ。
◆通算4500勝 広島は29日・中日⑥戦(バンテリン)に1-0で勝利し、球団通算4500勝(4813敗371分け、勝率・483)を達成。巨人、阪神、オリックス、中日、ソフトバンク、西武、日本ハム、ロッテに次いで、プロ野球史上9球団目。初勝利は1950年3月14日・国鉄②戦(広島総合=○16-1)。
◆無四球完封 広島・大瀬良が1-0で無四球完封。大瀬良の1-0完封は2014年9月6日・DeNA戦(横浜、1四球10奪三振)に続き2度目。無四球完封は19年8月2日・阪神戦(マツダ)の7-0以来。