広島・ドラ3中村健人 常に前向きなムードメーカー プロ初本塁打&猛打ショー

 「広島5-5ヤクルト」(15日、マツダスタジアム)

 広島は延長十二回引き分けで、首位返り咲きはならなかった。それでも存在感を示したのはドラフト3位・中村健人外野手(24)=トヨタ自動車。五回にプロ初本塁打となる2ランを放ち、同初の3安打をマーク。ここまで3本塁打の同期入団・末包と並び、新人2選手がプロ初本塁打を記録するのは、球団では日本一に輝いた1984年以来、38年ぶりとなった。

 屋外でも響きわたるその声を聞けば、中村健がどこにいるのか、すぐ分かる。試合前練習の開始前には声出し役を務める日も多く、一発ギャグなどの“ひとネタ”でナインを笑わせている。

 そんなムードメーカーの言葉は、常に前向きだ。印象的だったのは開幕前の春季キャンプ。ちょうど北京五輪が開催されていた時期だった。フィギュアスケートで銅メダルを獲得した宇野昌磨は、中京大中京時代の同級生。直接の親交はないものの「気付いた時には、トップオブトップアスリートになっていた」と苦笑いしながら明かしたこともあった。

 同窓生が世界を舞台に活躍していた2月。期待と不安が入り交じっていたシーズン前でも、明るい未来を思い描いてこう誓った。「すごいな、と思う半面、僕にもそういうことができる可能性がまだある」。開幕から約2カ月が経過して、出番が増える背番号50。もっともっと大きな舞台、そしてしびれる場面で輝きを放つ日を心待ちにしたい。(デイリースポーツ広島担当・向 亮祐)

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