セットアッパーを固定できない広島に天の声?「それはぜいたくな悩み」と名球会投手

 広島が栗林へつなぐセットアッパーの不在に苦しんでいる。特に八回の失点は深刻で、勝ち切れない現状が悩みの種。だが、デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「そこが整えば投手陣は完璧になる。それはぜいたくな悩みというもの」と語り、セットアッパーを固定化せずに戦うことを奨めた。

 終盤に点を取られ、試合を引っ繰り返されたりすると、勝ちを逃した先発投手と打たれた投手の両方が辛い思いをするからね。ここはうまくつないでほしいところ。

 そのためにも先発投手は、できるだけ長いイニングを投げないとね。それは選手自身も理解しているだろうし、そのように調整して体も作っているはず。もちろん、故障を防ぐにはある程度の投球制限は必要。しかし“勝負どころ”は選手も首脳陣も心得ていると思う。

 故障に注意を払いながら“勝負どころ”を察知して続投させる。このタイミングを図るのは本当に難しいけどね。

 今年、佐々岡監督は試合後半になってバタバタと動かず“行けることころまで行く”という姿勢で、先発投手の代え時を慎重に見極めている。

 去年は“何でここで代えるの?”という交代があったけどね。今年はそれがない。大瀬良や九里、森下、床田らが安定した投球を続けているというのもあるんだろう。

 ほかに遠藤や新しく戦力になったアンダーソンもいるし、抹消されているが、玉村も期待にこたえている。

 そうなると、あとは抑えの栗林へつなぐセットアッパーということになる。

 問題はそこですね。14日のヤクルト戦ではターリーが村上に一発を浴びたあと、制球を乱したのが原因で、逆転されてしまった。

 打たれるときは、やっぱり球が高い。長打を浴びているときは、必ずと言っていいほどボールが浮いている。ターリーに限らず、そこは絶対に自覚しないとダメ。試合が終盤に入ってくると、それが致命傷になるから、なおさら神経を使わないといけない。

 とはいえ、その中継ぎ陣が整備されれば、カープの投手陣は完璧になる。そうなると、投手コーチの仕事がなくなってしまうよ。(笑い)

 先発投手の質と量、抑え投手の存在はリーグでもトップクラス。チーム防御率は3点を切っているし、それはむしろ「ぜいたくな悩み」というもんですよ。

 現状で考えられる理想は、セットアッパーを固定しないというやり方だろうね。固定すると同じ投手に疲労が偏ることにもつながるから。

 ボールが走って低めに集まる。そういう調子のいい投手を見極めながら使っていくという考え方でもいいのではないか。

 現在、薮田や矢崎も1軍メンバーに入っている。薮田はリリーフで投げて結果を出していたが、いずれ先発投手に不足が出たときにはスタンバイしてほしい投手だろう。

 矢崎は考えて投球ができるようになった。直球に頼る強引な投球から、変化球も織り交ぜる柔軟な投球に変わってきたように思う。

 結果を残す投手は使っていけるし、投手にとっても生き残りのチャンスになる。2軍にもいい投手はいる。

 セットアッパー不在は確かに苦しいが、チームにとっては“新しい可能性が生まれる好機”と捉えることもできる。そう考えればいいのではないか。

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