カープ宇草“走り打ち”抑えて再昇格目指す
広島の3年目、宇草孔基外野手(25)が“悪癖”の修正を図りながら打撃力の向上を目指している。今季は開幕1軍入りを果たしたが、現在は2軍で鍛錬を積む日々。打席内で「打ちにいき過ぎる」という自らの傾向を踏まえた上で、改善に取り組んでいる。ライバルの多い若手外野陣に食い込み、存在感を発揮していく。
試行錯誤を繰り返しながら、宇草は懸命に汗を流している。開幕1軍メンバーに名を連ねた今季だが、ここまで14試合の出場にとどまっている。4月11日と同28日に出場選手登録を抹消され、ファームで自身を見つめ直している。「打たないと試合に出られないし、打撃の課題をコーチと話しながら取り組んでいる」。
具体的に意識するのは、打席内でのバランス。積極的なスイングが持ち味である一方、「どちらかと言うとバタバタ打ちにいき過ぎて、突っかかり過ぎてしまうタイプ」と自らの打撃を客観視した。
一般的に言われる“走り打ち”のような形になることが課題。「“走り打ち”をしようと思っていないけど、自然になってしまっている。そこを抑えたいし、課題の一つですね」。体が投手側、一塁手側に流れることで「(安打を打てる)確率も悪くなるし、ボール球を振ったりする」と分析した。
改善点は、バランスのいいスイング。積極性は出しつつ「左足でボールを捕まえて呼び込んで打てるように、というのは意識している」と試合の中で修正に努め、自分の感覚と対話を重ねている。
10日のウエスタン・ソフトバンク戦(タマスタ筑後)では2安打を放ち、翌11日の同戦では二回に3ランを放った。2軍では15日時点で9試合に出場して打率・308、2本塁打、9打点。コンスタントに結果を出し、アピールを続けている。
今季の1軍出場はここまで14試合。そのうち実に12試合が代打だった。代打では計12打数2安打。「頭を整理して打席に臨まないといけない。代打の経験が今までなく、すごく勉強になりました」。わずか1打席で結果を出す難しさを実感。その経験も今後への糧としていく構えだ。
1軍外野陣では新人の末包や中村健が存在感を示す中、背番号38も負けていられない。「代打を経験させてもらったからこそ、やっぱりスタメンで出られるように力を付けないといけないなと。1軍で勝負できるモノを自分でつかめるように」と宇草。あらゆる経験をプラスに変換し、たくましい選手になる。
◆宇草 孔基(うぐさ・こうき)1997年4月17日生まれ、25歳。東京都墨田区出身。185センチ、79キロ。右投げ左打ち。外野手。小学1年時から「墨田リトルリーグ」で野球を始め、向島中では「墨田シニア」に所属。常総学院では1年秋からベンチ入り。3年春のセンバツでは、1回戦の米子北戦で1試合5盗塁をマーク。法大では1年春からリーグ戦出場。2019年度ドラフト2位で広島入団。今季推定年俸1200万円。