カープ遠藤 悲劇 完封目前まさか 3位転落 守護神・栗林投入できず

 「巨人3-2広島」(17日、宇都宮清原球場)

 広島が痛恨のサヨナラ負けで3位に転落した。2-0で迎えた九回に、完封目前の遠藤淳志投手(23)が無死満塁のピンチを背負って降板すると、最後はターリーが中島に左越えの2点適時打を許してゲームセット。セーブシチュエーションながら、コンディション不良で守護神・栗林を投入できなかった中での、痛すぎる敗戦となった。

 左翼・上本の頭上を白球が越えていった。ターリーら、ぼうぜんとベンチに引き揚げる広島ナインとは対照的に、ヒーローになった中島らは歓喜の輪をつくった。わずか13分で試合が暗転。悪夢のサヨナラ負けだった。

 2-0の九回だ。プロ初完封目前の遠藤が、連打と四球で無死満塁のピンチを背負った。絶体絶命の場面。ベンチを立った佐々岡監督が告げた投手は、守護神の栗林ではなくターリーだった。

 試合後、指揮官は遠藤の続投を「完封をすれば自信になるだろうし、あれだけの投球を見せてくれたので任せるつもりだった。迷い?なかった」と説明。さらにサヨナラのピンチでの助っ人投入については「きょうは栗林に投げられない理由があったから九回も遠藤に任せたということ。栗林を投げさせるというのはなかった」と続けた。左腕はポランコに適時打、中島にサヨナラの2点適時打を許し、痛い敗戦となった。

 栗林は15日のヤクルト戦に登板し、16日は移動日を含めた休日だった。試合後、蔦木トレーナーは「コンディション不良がありました」と話した。コンディション不良の箇所やアクシデントが起こった時期などの詳細は伏せられたまま。ベンチには入っていたが、18日以降の登板については「不透明ですので、あす以降の状態を見てからになると思います」と説明した。

 先発の遠藤は、八回まで粘りの投球を展開。六回1死一、二塁では、吉川を遊ゴロ併殺に仕留めて切り抜けるなどゼロを並べていた。ただ、九回1死満塁で巡ってきた打席では、初球を打って遊ゴロ併殺打に。追加点を奪えず白星も逃した。

 地元の茨城と近い宇都宮での試合。最後まで投げきれず「悔しいです。体力の面であったり、スピードが落ちてくる中でどういったコース、高さに関しても、中盤より厳しく投げれば良かったんじゃないかなと思う。次に向けて反省し修正していきたい」と話した。

 栗林を投入できずに喫した黒星。宇都宮での巨人戦は4連敗となり3位に転落した。チームは八回に起用する投手に苦しんできた。勝利の方程式を再整備しているところでもあり、絶対的な守護神の軽症を祈るしかない。

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