九里 執念の今季初10Kも唇かむ 広島9年ぶり東京ドーム5連敗「そこは悔しい」
「巨人2-1広島」(19日、東京ドーム)
広島が今季ワーストタイとなる2度目の4連敗となった。これで今季の東京ドームでは2013年以来、9年ぶりの5連敗となった。敗戦の中、先発の九里亜蓮投手(30)は7回7安打2失点の力投。2敗目を喫したが今季初の2桁奪三振でチームを鼓舞した。20日からはマツダスタジアムで中日3連戦。地元に戻り、負の連鎖に終止符を打ちたい。
要所を締める度に、九里はマウンドで闘志をむき出しにした。マウンドで体現したのは勝利への執念。だが115球の力投も報われず、敵地での3戦目は敗戦という悔しさとともに幕を閉じた。試合後は視線を上げながらも「勝てなかったので、そこは悔しいです」と唇をかんだ。
最後のひと踏ん張りができなかった。同点の七回、安打と犠打で1死二塁のピンチを迎えると、フルカウントから中山に低めの変化球をうまく合わせられ、決勝の中前適時打に。「相手も菅野投手。先に勝ち越し点を与えないようにと思って投げていたのですが。ああいうところでしっかりと踏ん張れるような投手になれるように」。懸命の投球も、相手に軍配が上がった。
それでも、菅野と緊迫した投手戦を演じた中盤までの投球は、決して色あせない。初回は丸、ウォーカーを連続三振に斬る上々の立ち上がり。二回は連打で無死一、二塁とされたが中島を遊ゴロ併殺。続く大城から内角直球で見逃し三振を奪うと、声を張り上げた。
1点リードの三回2死一、二塁から吉川の適時内野安打で同点とされたが、続く岡本は空振り三振。六回は2死二塁でポランコを迎え、バットの空を切らせると、右手で力強くガッツポーズを繰り出した。慎重かつ大胆に攻める、らしさ満点の投球に佐々岡監督は「7回2失点、よく粘ったと思うし試合をつくってくれた」と投手主将の奮闘をたたえた。
10奪三振は今季初。「あまり三振を取るとかは考えていない。自然と取れる分にはいいかなと。ストライク先行でいくことによって(投球を)優位に進めていけると思うので、継続してやっていきたい」とプラスに捉え、主導権を握った投球を次戦でも披露する。
この日は申告敬遠を含む2四球。試合前時点で、巨人戦は今季3試合で11四球と制球に苦しんでいただけに、収穫にもなる。「チームの勝ちにつながるような投球ができるように、がんばりたい」。チームは東京ドームで9年ぶりの5連敗。打線の援護があれば…という展開だったが、女神がほほ笑む日が来ると信じ、次こそ白星をつかみ取る。
◆9年ぶり…東京ドーム5連敗 広島の東京ドーム5連敗は、1分けを挟んで6連敗した2013年以来、9年ぶり。この年は開幕戦だった3月29日に同球場で敗れ、同30日は引き分け。以降、同31日から7月24日まで5連敗をした。