広島・二俣、新フォームで復調だ
広島の二俣翔一内野手(19)が新フォームでの復調を目指している。構えたとき、三塁側に寝かせていたバットのヘッドを投手側に傾け、左足を上げる高さも低くしタイミングの取り方に工夫を凝らした。結果を残して支配下登録を勝ち取るために自らの形にしてみせる。
大きな決断にも迷いはなかった。不調から抜け出すために自ら考え導き出した答えだからだ。新たなフォームに取り組む二俣は「春のキャンプとはガラッと変えました。変えて良かったとなるように頑張っている」と力を込めた。
4月上旬に下半身のコンディション不良から復帰した。復帰直後こそ結果が出たが、徐々に安打が出なくなり納得のいくスイングもできなくなった。
「球に対して強く入っていき、安打になっても衝突気味だった」。バットの軌道が遠回りしていたと自己分析。現状打破を目指し今月中旬に打撃を刷新した。
構えから変更した。三塁ベンチ側に寝かせていたヘッドを投手側に傾けた。左足は以前に比べ早めに上げて、より長く投球を見られるようにした。
「体がクルッと回るようになったから逆方向への打球が増えた」。取り組み始めて約1週間が過ぎた。好感触はある。
育成2年目で今春は1軍キャンプに初めて抜てきされた。対外試合4戦連続安打など結果を残し、打ち上げ日には監督賞を受賞した。
アクシデントは3月上旬に起こった。下半身のコンディション不良により離脱を余儀なくされた。支配下登録を目指してさらなるアピールを誓っていた矢先だけに、悔しさは募るばかりだった。
それでも落ち込んでばかりはいられない。気持ちを切り替え復帰を目指してリハビリに打ち込んだ。「オープン戦でも1軍に帯同させてもらった。また1軍で野球がしたいと思った」。悔しさが新たな力になった。
目下の目標は支配下登録を勝ち取ること。期限は7月末だ。昨秋から内野手に転向し三塁を守る。「1球1球丁寧にやっていきたい」と守備力強化も支配下登録されるためには課題となる。
攻守でのレベルアップが求められる。「今年中に背番号を2桁にしたい」。強い日差しを浴びながら、二俣は決意表明した。
◆二俣翔一(ふたまた・しょういち)2002年10月21日生まれ。静岡県出身。内野手。身長180センチ、体重75キロ。右投げ右打ち。小学時代に野球を始め高校は磐田東に進学。1年時から遊撃手として活躍する。2年夏に先輩捕手の故障により捕手に転向した。20年育成ドラフト1位で広島に入団。昨秋、内野手に転向した。