カープ床田 セ・トップに並ぶ6勝目 今季3度目の連敗ストッパーじゃ!

 1回、西川と対戦する床田(撮影・佐藤厚)
 スラィリー(右)と並んで笑顔を見せる
2枚

 「楽天1-3広島」(7日、楽天生命パーク宮城)

 広島の床田寛樹投手(27)が楽天・田中将に投げ勝ってリーグトップタイの6勝目を挙げ、チームの連敗を3で止めた。力強い投球やけん制でピンチを未然に防ぎ、7回2安打1失点。チームの連敗を止めるのは今季3度目となった。チームは交流戦最後のビジター6連戦初戦に勝利して貯金は再び1。左腕が新たな力を吹き込んだ。

 敵地のマウンドで借りを返した。ヒーローインタビューでマイクを握った床田は、喜びをかみしめながら言葉を紡ぐ。「3年前、ボコボコにやられたのでやり返そうと思っていた」。安定感抜群の投球でリーグトップタイの6勝目を手にした。

 強い気持ちで序盤から左腕を振り抜いた。初めて得点圏に走者を置いた0-0の四回1死二塁からは島内、浅村を連続空振り三振でピンチを脱出。2点の援護を受けて迎えた五回は、2死から一塁・マクブルームの失策で走者を出したが冷静に炭谷を打ち取った。

 「やっぱり、絶対にやり返したいと思ってマウンドに上がったんで」

 六回は先頭への四球をきっかけに1失点。それでもこの回を最少失点に抑え、相手に傾き掛けた流れを断ち切った。直球は140キロ台後半を記録し、カーブなどの遅球もキレた。二回1死一塁は一走・鈴木大をけん制でアウトにし、ピンチを未然に防いだ。

 前日6日は広島から陸路で6時間をかけて仙台へ移動。入浴やストレッチなど、いつもより入念な準備をしてマウンドへ上がった。さらに投げ合った田中将の好投も刺激だった。「向こうの流れに乗って投げようと思った」。相手右腕に一歩も引かず、7回2安打1失点でまとめた。

 19年6月14日の無念を乗り越えた。この日と同じ楽天生命パーク宮城での楽天戦。5本塁打を浴び、自己最短1回2/3を7失点でKOされた。ベンチに戻ると、ふがいなさから人目をはばからず涙した。「やり返す」。球数が100球を超えた七回も強い思いで腕を振り抜き3人で斬った。

 この日の白星でチームの連敗を3で止めた。チームが4連敗で迎えた前回5月31日の日本ハム戦も5勝目を挙げており、今季はこれで3度もチームの連敗ストップに貢献。左のエースになると誓う今季は有言実行の活躍を見せている。

 「何とか粘り強く投げられた」。チームは交流戦最後のビジター6連戦を白星発進。再び貯金1とした。背番号28が浮上ムードに火を付けた。「きょうは床田に尽きる。良い形でチームを引っ張ってくれている」。佐々岡監督の言葉が、左腕へのチームの思いだ。

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