エースが離脱した広島に正念場 北別府氏「野村はそろそろ1軍で結果を出さないと」
広島は大瀬良大地投手(30)が不振による再調整、西川龍馬外野手(27)が左足首の故障で戦列から離れた。エースと3番打者の離脱という大ピンチに、デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「そろそろ結果を出さないといけない選手もいる」と語り、2軍待機するメンバーの奮起を求めた。
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大瀬良はここ数試合、投球内容がよくないということで抹消されたわけだけど、極端に悪いというわけでもない。
とはいえこの際なので、交流戦明けのリーグ戦再開へ向けて、しっかりと調整してほしい。彼の大活躍抜きに上位争いを期待するのは厳しいからね。
エースで開幕投手。床田の活躍が目覚ましいだけに、なおさら焦っているだろうが、今後も“表ローテ”の先頭で引っ張っていってもらわないと困る。
最短で戻って来るなら先発を1回飛ばしただけですむわけだし、ぜひそう願いたい。
その代役を務めるべき筆頭格は野村祐輔。ほかにも2軍に活躍しそうないい選手はいるんだけどね。
2軍はお宝が埋まっているようなものですよ。その才能を表に出せるかどうか。中には残念なことに、力を出しきれないまま引退してしまうケースもある。
野村に関しては2軍での投球を見たけど、コースにズバリと決まる、いい球を投げていた。ローテーション投手として調整はできていると思う。
今の状態で十分ボールはキレているし、この投球を1軍の試合でやればいいんですよ。そのままでいい。ファームよりもいいものを出そうとしないこと。
欲が出ると、コーナーを狙い過ぎてカウントを悪くするという、いつもの癖が出てしまう。
すべての球をギリギリのところへ投げようとするから自滅するんですよ。先に追い込んでも3ボールまでいってしまう。その結果、四球。これが打たれるときのパターン。
野村は、そろそろ出て来て結果を残さないといけない選手の一番手だからね。何度も言うようだけど、期待してるんですよ。
オリックス戦で西川の代役として3番を打っていたのが中村奨成。大抜擢だったが、それだけ首脳陣の期待が大きいという証拠でもある。
3安打した試合もあったし、打点も挙げていた。3戦目のセンター前ヒットは外角へ沈む難しい球だったが、得点圏に走者がいるという状況を考えて、センター返しの軽打を試みていた。右方向へのヒットも目立つし、落ち着いた打撃ができるようになっているね。
打順について考える余裕など本人にはないはず。試合中に外野から捕手へ回ったこともあったし、今は無我夢中だと思う。
捕手としては一、三塁からダブルスチールを決められた試合もあったけど、二盗を封じて“強肩”をアピールしたこともあった。
しかし、こういった経験を積んでいく中で選手は育つもの。交流戦に入った途端に元気を失ったチームだけど、少しでも明るい材料を見つけたいものだね。