広島・野村 618日ぶり復活星 今季初登板初先発5回2/3を3失点

 「西武3-6広島」(10日、ベルーナドーム)

 広島の野村祐輔投手(32)が、5回2/3を4安打3失点(自責点2)で今季初登板初先発で勝利を手にした。白星は20年9月30日の巨人戦以来618日ぶりで、緩急を駆使しながら打たせて取る投球が光った。大瀬良が再調整のため戦列を離脱しているだけに、経験豊富な右腕の復活星は、今後の戦いに向けて弾みがつきそうだ。

 何にも代え難い瞬間だった。618日ぶりに参加した、自身の勝利後のタッチ。野村は目尻を下げて、喜びをかみ締めながら一人一人と拳を合わせた。「うれしいです」。5回2/3を4安打3失点(自責点2)。今季初登板初先発を、最高の復活星で飾った。

 「久々のマウンド。やってきたことを全て出せるようにという思いで投げました」

 初回、山川に2ランを浴びたものの、味方打線の援護を受け「勇気を持って投げることができた」。カットボールやツーシームを軸に、縦に割れる代名詞のカーブなど遅球を織り交ぜた。狙い球を絞らせない巧みな投球。持ち味を発揮した。

 中盤の分岐点も乗り越えた。3-2の四回。三塁手・坂倉の適時失策で一時同点とされたが、勝ち越しは許さなかった。直後の五回に、同学年の菊池涼が勝ち越しの左越えソロを放った。

 西武戦は通算で7戦5勝無敗。得意の“山賊狩り”でチームの勝率5割復帰も導いた。佐々岡監督は「去年勝てなかった。下(2軍)で若い選手と交じって結果を残し、調整してきてくれた。きょうのチャンスで勝ったことは大きい」と賛辞を惜しまなかった。

 「悔しい思いを個人的にもしているので、それを晴らしたい」

 登板前、野村は静かな口調に思いを込めていた。一昨年に、右鎖骨下の血栓を除去する手術を受けた影響から、昨季は10年目で初めて未勝利。再起を誓った今年はキャンプ前に下半身のコンディション不良で出遅れた。

 上半身と下半身のバランスを整えながら歩んだ復活ロード。プロ初登板から188試合連続先発登板の日本新記録を樹立した右腕は、2軍戦で中継ぎとしてもマウンドに上がった。「リリーフの難しさとかいろいろ経験させてもらった」。見えた景色が新たな財産になっている。

 「また頑張って、次に準備したい」。野村は前を見据えた。この日の勝利で通算78勝。球団現役最多の勝ち星を誇る右腕が、残り2戦となった交流戦に向かうチームに、追い風をもたらした。

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