広島、3季連続12球団ワースト6度目の交流戦最下位 17戦でわずか33得点
「西武2-1広島」(11日、ベルーナドーム)
広島は5度先頭打者を出しながらも1得点。あと1本が出ず惜敗。これで交流戦は5勝12敗となり1試合を残して、19年から中止となった20年を挟んで3季連続、12球団ワーストとなる6度目の最下位が決定した。再び借金は1、首位ヤクルトとは今季最大の9・5ゲーム差に開いた。
ベルーナドームの半分以上を赤く染めたカープファン。ため息さえも赤く染まっているのではと思えるほどフラストレーションのたまるゲームになった。
二回先頭のマクブルームが四球で出塁するが坂倉、上本が飛球に倒れ、堂林は空振り三振で得点できないと、三回は小園の安打のあと石原に犠打。これを宇草が適時打でかえし1点差に迫った。
ならばと四回はマクブルーム、坂倉の連打のあと上本に犠打。五回は宇草四球のあと菊池涼に犠打。六回も上本安打のあと堂林に犠打。5イニング連続の先頭打者出塁に対して、4犠打で得点圏に進めるも1点に終わった。
佐々岡監督は「形はできた中で、あと1本がなかった。自分たちの野球はしてきた中であと1本というところ。きょうはね」と無念さをにじませた。打線を預かる朝山打撃コーチも「ヒットは出てないわけじゃない。得点圏に何回も送って、チャンスがあればあるほど点が入る可能性はある。形はできた。選手はしっかり頑張ってくれたと思う」と選手を責めることなく、産みの苦しみを口にした。
一発がない打線。得点圏に走者を置いて、かえす野球でシーズン序盤は快進撃を展開した。ところが、攻撃の形は作れても決定打が出なければ得点にならない。結果、交流戦のチーム得点数は17試合で33点。交流戦史上最少得点だった16年・阪神の44得点を下回る可能性まででてきた。
19年に5勝12敗1分け、20年の中止を挟んで昨季も3勝12敗3分けで最下位になった交流戦。1試合を残して3季連続の不名誉が決定してしまった。指揮官は「はい、まぁ明日、頑張るだけです」とだけ言い残すと会見を切り上げた。
エース大瀬良が不調で登録抹消される中、準エースともいえる森下で勝てなかった事実も重い。ここ2試合の援護点は2点と1点。奮闘する右腕を見殺しにしてきた。
気がつけば首位ヤクルトよりも最下位の方がゲーム差が近い。リーグ戦再開に向けて弾みを付けるためにも最終戦は意地を見せたい。