広島の“先発3本柱”に異変 防御率の悪化を招く原因を北別府氏が独自分析
交流戦で大事な貯金を使い果たし、借金生活に突入した広島は再び浮上できるのか。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は打線の“つながり”を条件に挙げる一方で、「主力投手で勝てないと連敗してしまう」と語り、大瀬良、九里、森下の先発3本柱に奮起を促した。
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交流戦明け最初のヤクルト戦に3連敗し、目の前が真っ暗になったけど、阪神戦の連勝で気持ちが少し軽くなったね。
でも交流戦から流れが悪くなったのは確かでしょう。あれだけつないできた打線が、つながらなくなった。チャンスに1本出れば流れも変わるのだが、競ったところで出なかったねぇ。
ベンチは打順の入れ替えなど、いろいろ考えてやっているのは分かるが、選手起用を中心に攻撃面では、まだまだやれることはあるはず。テコ入れのための手をどんどん打ってほしいね。
それと投手陣にも粘りがなくなり、失点を重ねてしまうところがあった。中盤まで踏ん張っても、最後に突き放されるという試合も目についたし…。
先のヤクルト戦でも先発した“3本柱”の大瀬良、森下、九里の投球に、それぞれ気になるところがあった。
大瀬良については、投球フォームに変化が見られる点。余分な力が入っている様子で、腕が固まっているように映った。調子のいい時は“8分”ぐらいの力で投げているからね。
本人にその意識はなくて、スピードガン表示も普通に出ているのだろうが、相手選手は“キレがない”と感じているはず。だから高めに浮いた球だけでなく、低めも打たれる。
森下は決めるべきところで決められないから、球数が増える傾向にある。そのために肝心なところで追加点を取られている。
あの独特のカーブも今年は少しブレーキがないように思う。昨年までは泳いだり見逃してくれていたものが、打たれ始めているね。一見、同じようでも、打者はしっかりと待って、ヒットにしている。このあたりが課題かな。
九里は追い込んでからの勝負ができていない。つまりカウントを取りに行くところでやられているんですよ。いいときはリラックスした投げ方で、ストライク先行の投球ができるんだけどね。
主力の投手で勝てないと連敗してしまう。特にこの3人はベンチから頼りにされている投手。3人とも2点台だった防御率が3点台に悪化してしまったから、何とか巻き返さないと。
前半のように打線の援護で盛り上げて、そして勝つことができれば、それが一番の良薬かな。そこに期待してます。阪神戦では粘り勝ち。ここは3連勝して、次の横浜に乗り込みたいね。