「広島５－３巨人」（１日、マツダスタジアム）

　エースが負の流れを止めた！広島・大瀬良大地投手（３１）が巨人戦に今季初登板し、６回３失点でリーグ２位タイの７勝目。チームの連敗を「３」で止めた。六回は小園の失策で２点差に迫られ、なおもピンチを背負ったが後続を断つ粘りを見せた。７月は白星発進で、２位・巨人と１・５ゲーム差。今カードで一気に追い抜く！！

　簡単には倒れない。力を振り絞った先に待っていたのは、本拠地の興奮だった。２点差の六回２死満塁。大瀬良は代打・中田に対して１ボールから１４７キロ直球を投げ込んだ。内角を突き、詰まらせた二飛に仕留めると声を張り上げてグラブを２度叩いた。

　「きっちり投げ込もうと。あの球は良かったと思います。何とかチームの連敗を止められて、勝つことができて良かった」と笑顔で振り返った。

　２点リードの二回、大城の右前適時打で１点を献上した。なおも１死一、三塁。流れが相手に傾きかけたが、続く吉川を二ゴロ併殺に打ち取った。直球の質が良化したのは「三回ぐらいから」と決して本調子ではなかった。それでもカーブを多めに投げながら相手を封じた。

　そして最大のヤマ場となった六回。１死二、三塁で岡本和に右前適時打。なおも１死一、三塁から坂本の打球は遊ゴロ併殺と思われたが、小園がファンブルして２点差に迫られた。

　チェンジから一転、なお１死一、二塁。苦い表情を浮かべる後輩に、マウンドから優しくほほ笑んだ。ここから後続を断ち、「押せるところはしっかり真っすぐで押しながら、勝負することができた」と右腕。意地を示した６回３失点だった。

　うだるような暑さが続く毎日。「暑さ対策」は抜かりない。就寝時には極力エアコンを控え、練習前にはあえて暑い環境下でジョギング、ストレッチを行う。すぐに涼しい場所に移らず、体を暑さに順応させるのが目的だ。「効果も多少あるのか、ちゃんと順応してくれている。あまり時代にそぐわないかもしれないですけど、僕の体はちょっと“昭和チック”」と苦笑する。

　食事も果実系、ミネラルを摂取。「できるだけの準備というのはやっています」。最大限のパフォーマンスを披露するための工夫に取り組んでいる。

　連敗を止めたエースの姿に佐々岡監督は「ピンチを乗り越えてくれたのはさすが」とたたえた。「次回もチームが勝てるような投球ができるように、しっかり準備したい」と大瀬良。反攻の７月。背番号１４が夏場の戦いをさらに熱くする。