カープ野村 復肩手応えの好投 中日・柳とプロ初“明大対決”でローテ再奪取アピール
「中日2-1広島」(10日、バンテリンドーム)
広島の野村祐輔投手(33)が今季初黒星を喫しながら、6回5安打2失点(自責点1)と粘りの投球で試合をつくった。二回までに失策も絡んで2失点。三回以降は持ち味の打たせて取る投球で得点を許さなかった。チームは今カード負け越しで借金は「3」。4位・DeNAとのゲーム差は「0・5」となった。
腕を振るたびに調子を上げた。低めを丁寧に突きながら打たせて取る投球が光る。野村が6回5安打2失点(自責点1)。今季初黒星を喫したものの、先発としての仕事を果たした。
「最初はうまくいかなくて。何とかそこから0に抑えられたので、何とか試合はつくれたと思います」
マクブルームの失策が絡むなど、二回までに2点を奪われた。それでも三回以降は、一度も得点圏に走者を進めなかった。
「力が抜けたかなと」
力むことなく体を動かし、スムーズに腕が振れた。六回は3番・阿部から3人斬り。多彩な球種を自在に操り、狙い球を絞らせなかった。
自身は入団11年目で、一方の中日先発・柳は6年目だ。意外にも柳とはプロ入り後初めての“明大対決”だった。野村が5学年先輩にあたる。それだけに「負けられない気持ちだったんですけど」。強い気持ちで臨んだが、この日は結果が伴わなかった。
佐々岡監督は持丸とバッテリーを組ませたことについて「2軍で一緒に組んでいるというのもあったし」と説明。この日の投球については「不運な当たりもあったりしながら最少失点で。六回まで投げてくれた。次に生かしてほしい」と話した。
右腕は6月10日の西武戦で今季初勝利を手にした。チーム事情により12日に出場選手登録を抹消され、この日が1カ月ぶりの1軍マウンドだった。野村の次回登板が1軍かと問われた指揮官は「そうですね」と即答。火曜日のDeNA戦から始まる9連戦でマウンドを託すと明言した。
20年10月に「右鎖骨下静脈血栓症除去術」を受け、復帰した昨季は0勝4敗。プロ入り後初めて白星なしの1年に終わった。今季は「ベース板の上の球の勢い。強さが去年とは違うと思う」と右腕。手応えをつかんで歩むシーズンだ。
「チームが負けているので悔しい。立ち上がりをしっかりと(抑えて)いけるようにしたい」
野村は力を込めた。今季初黒星を新たな力に変え、腕を振る。